テーマ:半導体に関するAI特許調査

・調査観点
半導体製造工程における欠陥検査において、入力画像から特徴量を抽出する第1のニューラルネットワークと、抽出された特徴量に基づきクラスタリングを行う分類器を組み合わせ、欠陥の種類を自動分類するシステムであって、第1のニューラルネットワークの中間層の出力を特徴量として利用し、分類器によって欠陥の種類をクラスタリングすることを特徴とする欠陥検査システム。

目的

上記のアイデア(調査観点)に関連する特許を抽出する。

条件

調査対象国:JP
調査資料:特許公報、実用新案公報
調査期間:出願10年
ステータス:生死不問
調査母集合:半導体とAI(人工知能、機械学習、ディープラーニング、深層学習)に関するもの

作業

  1. AIを使って、アイデアを生成&ブラッシュアップ
  2. AIを使って、アイデアに関連する特許を抽出
  3. AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(詳細評価)
  4. AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(対比表作成)
  5. AIを使って、アイデアと類似する特許の出願動向分析
  6. AIを使って、アイデアと類似する技術カテゴリ抽出

新規の特許出願を行う前に、類似する既存の特許公報を探す調査です。発明の新規性や進歩性を確認し、特許取得の可能性を判断します。無駄な出願を防ぎ、より強い特許請求範囲の作成に役立ちます。

新製品の開発・販売前に、他社の特許権を侵害していないかを確認する調査です。他社特許に抵触するリスクを事前に把握し、設計変更や回避策の検討、ライセンス交渉の判断材料として活用します。

特定の特許の有効性を検証するための調査です。対象特許の出願前に公知となっていた特許公報を探し、新規性や進歩性を否定できる資料を収集します。特許無効審判や侵害訴訟での資料に使用されます。

半導体 × 事例紹介

Case Study

AIを活用した特許調査を動画とテキストでご紹介!

近年、人工知能(AI)技術の進歩により、特許調査の手法も大きく変化しています。AIを活用した特許調査では、従来の検索式による方法に加え、自然言語処理や機械学習の技術を用いることで、より広範な関連技術の発見や、類似特許の効率的な抽出が可能となっています。

特に、AIによる言語の意味理解や文脈把握により、キーワードだけでは発見が困難だった技術文献の特定や、異なる技術分野での類似発明の発見などで成果を上げています。また、大量の特許文献を短時間で分析し、技術動向の可視化や重要文献の優先度付けなども実現しています。

このような先進的な調査手法の導入により、調査の質と効率が向上し、より効果的な特許戦略の立案が可能となっています。

AIを活用し、特許出願できそうなアイデアを10件、考えました。
以下の通り、ご報告いたします。


1. 半導体素子の特性予測システム

複数の工程パラメータと半導体素子の電気特性データを入力とし、第1から第3の階層的なニューラルネットワークにより特徴量を抽出し、抽出された特徴量を用いて半導体素子の電気特性を予測するシステムであって、第1のニューラルネットワークは工程パラメータから特徴量を抽出し、第2のニューラルネットワークは電気特性データから特徴量を抽出し、第3のニューラルネットワークは両特徴量を統合して最終的な予測を行うことを特徴とする半導体素子の特性予測システム。

・アイデアの特徴
①階層的な3段構成のニューラルネットワークにより特徴量を抽出する
②工程パラメータと電気特性データを別々のネットワークで処理する
③抽出された特徴量を統合して最終予測を行う
④各ニューラルネットワークは独立して学習可能である
⑤予測結果は半導体素子の電気特性値として出力される


2. 画像認識による欠陥検査システム

半導体製造工程における欠陥検査において、入力画像から特徴量を抽出する第1のニューラルネットワークと、抽出された特徴量に基づきクラスタリングを行う分類器を組み合わせ、欠陥の種類を自動分類するシステムであって、第1のニューラルネットワークの中間層の出力を特徴量として利用し、分類器によって欠陥の種類をクラスタリングすることを特徴とする欠陥検査システム。

・アイデアの特徴
①画像から特徴量を抽出するニューラルネットワークを使用する
②中間層の出力を特徴量として利用する
③抽出された特徴量に基づきクラスタリングを行う
④欠陥の種類を自動的に分類する
⑤教師なし学習により新しい欠陥パターンにも対応可能である


3. 複数モデル統合による最適化システム

イジング型最適化問題において、説明変数のバイナリ化と予測値の関係を学習する複数の機械学習モデルを統合し、最適解を探索するシステムであって、説明変数をバイナリ化する変換部と、バイナリ化された説明変数と予測値の関係を学習する学習部を有し、学習済みモデルの出力を統合することを特徴とする最適化システム。

・アイデアの特徴
①説明変数をバイナリ値に変換する
②バイナリ化された変数と予測値の関係を学習する
③複数の機械学習モデルを統合して使用する
④イジング型最適化問題に適用可能である
⑤学習済みモデルの出力を効率的に統合する


4. ニューラルネットワーク軽量化システム

深層ニューラルネットワークの軽量化において、非構造的な枝刈りと層の共有化を組み合わせたシステムであって、選択された層を枝刈り圧縮し、非選択層はそのまま保持し、圧縮された層を共有化して再統合することで、推論時間を短縮することを特徴とするネットワーク軽量化システム。

・アイデアの特徴
①非構造的な枝刈りにより重要でない結合を削除する
②選択層と非選択層を分けて処理を行う
③圧縮された層を共有化する
④層の再統合により効率的なネットワークを構築する
⑤推論時間の短縮を実現する


5. 外光適応型表示制御システム

外光センサからの入力に基づき、表示画像の輝度と色調を自動調整するシステムであって、ホスト装置でニューラルネットワークの学習を行い、得られた重み係数を処理回路に実装し、外光の照度に応じて最適な表示パラメータを算出することを特徴とする表示制御システム。

・アイデアの特徴
①外光センサからの入力を処理する
②ニューラルネットワークによる学習を行う
③学習済みの重み係数を処理回路に実装する
④外光照度に応じて表示パラメータを調整する
⑤ユーザー選択値を教師データとして使用する


6. 距離画像処理システム

TOFカメラで取得した距離画像データのノイズ除去を行うシステムであって、深層学習モデルを用いて距離情報の処理を行い、ノイズを低減しつつ精度の高い距離画像を生成することを特徴とする画像処理システム。

・アイデアの特徴
①TOFカメラからの距離情報を入力として使用する
②深層学習モデルによりノイズ除去を行う
③距離画像の精度を向上させる
④積算回数を削減して処理時間を短縮する
⑤3次元物体認識に適用可能である


7. 領域分割型表示補正システム

表示画面を複数の領域に分割し、各領域で独立して階調補正を行うシステムであって、実際の表示画像を学習データ、理想的な表示画像を教師データとして人工ニューラルネットワークで学習を行い、領域ごとの階調補正を行うことを特徴とする表示システム。

・アイデアの特徴
①表示画面を複数の領域に分割する
②各領域で独立して階調補正を実施する
③実際の表示画像と理想画像を用いて学習を行う
④人工ニューラルネットワークにより補正値を算出する
⑤領域ごとの階調ばらつきを補償する


8. 半導体工程最適化システム

半導体製造工程のパラメータと電気特性の関係を学習するシステムであって、工程リストから特徴量を抽出する第1の学習モデル、電気特性から特徴量を抽出する第2の学習モデル、および両特徴量を用いてマルチモーダル学習を行う第3の学習モデルを有することを特徴とする工程最適化システム。

・アイデアの特徴
①工程パラメータから特徴量を抽出する
②電気特性データから特徴量を抽出する
③マルチモーダル学習により関係性を学習する
④異なる3つの学習モデルを組み合わせる
⑤工程変数の最適値を予測する


9. ノイズ耐性ニューラルネットワーク

入力データにノイズが付加された場合でも高い精度を維持するニューラルネットワークであって、第1の層からの出力を第2の層と第2のネットワークに分岐させ、第2のネットワークの出力を第3の層に入力することで、ノイズの影響を低減することを特徴とするニューラルネットワークシステム。

・アイデアの特徴
①入力データの分岐処理を行う
②第2のネットワークでノイズ除去を行う
③正解特徴マップと学習特徴マップを比較する
④ノイズの影響を低減する構造を持つ
⑤高い処理精度を維持する


10. 特徴量変換による学習システム

定性的データを定量的データに変換して機械学習を行うシステムであって、材料名や組成式を元素特性と組成情報に変換する機能と、変換されたデータから特徴量を抽出する機能を有し、抽出された特徴量を用いて教師あり学習を行うことを特徴とする学習システム。

・アイデアの特徴
①定性的データを定量的データに変換する
②材料情報を元素特性と組成情報に分解する
③変換されたデータから特徴量を抽出する
④教師あり学習により予測モデルを構築する
⑤新規材料への予測が可能である

以下のアイデアに関連する特許公報を8件抽出しました。以下の通り、報告いたします。

■アイデア(調査観点、請求項案)
半導体製造工程における欠陥検査において、入力画像から特徴量を抽出する第1のニューラルネットワークと、抽出された特徴量に基づきクラスタリングを行う分類器を組み合わせ、欠陥の種類を自動分類するシステムであって、第1のニューラルネットワークの中間層の出力を特徴量として利用し、分類器によって欠陥の種類をクラスタリングすることを特徴とする欠陥検査システム。

■技術的特徴
①入力画像から特徴量を抽出する第1のニューラルネットワークを有する
②抽出された特徴量に基づきクラスタリングを行う分類器を有する
③第1のニューラルネットワークの中間層の出力を特徴量として利用する
④分類器によって欠陥の種類をクラスタリングする
⑤半導体製造工程における欠陥検査に適用される


1.関連公報の抽出結果

  1. JP2021209867A (株式会社半導体エネルギー研究所)
  2. JP2018032071A (株式会社クレスコ)
  3. JP2023065861A (株式会社カネカ)
  4. JP2023001040A (富士通株式会社)
  5. JP2021152416A (株式会社半導体エネルギー研究所)
  6. JP2022035214A (キヤノン株式会社)
  7. JP2018136537A (株式会社半導体エネルギー研究所)
  8. JP2022156879A (株式会社荏原製作所)

2.特徴別の該否結果

※評価基準:〇(特徴の要件を全て含む)、△(特徴の要件を一部含む)、×(特徴の要件を一つも含まない)

公報番号(出願人)類似度(%)
JP2021209867A(半導体エネルギー研究所)95
JP2018032071A(クレスコ)80
JP2023065861A(カネカ)75×
JP2023001040A(富士通)70
JP2021152416A(半導体エネルギー研究所)65×
JP2022035214A(キヤノン)60×
JP2018136537A(半導体エネルギー研究所)55××
JP2022156879A(荏原製作所)50×

3.抽出公報の詳細レビュー

■1件目:類似度 95%

  • 公開番号: JP2021209867A
  • 出願日: 2021-04-09
  • 公開日: 2021-10-21
  • 出願人: 株式会社半導体エネルギー研究所
  • 名称: パターン検査装置
  • 要点: (産業分野)半導体検査装置。(課題)不良が含まれると判別された画像データを効率的に分類する。(解決手段)識別モデルの中間層が有するニューロンの数値を特徴量として用い、分類器でクラスタリングを行う。(効果・特徴)中間層の出力を特徴量として利用することで、効率的な不良分類が可能となる。

〇特徴別の該否結果と判定理由
①〇:「識別モデルは、入力層と、中間層と、出力層と、を有する」と記載。
②〇:「分類器は、第1乃至第nの特徴量に基づいて、第1乃至第nの画像データのクラスタリングを行う機能を有する」と記載。
③〇:「中間層が有するニューロンの数値である」と記載。
④〇:「第1乃至第nの特徴量に基づいて、第1乃至第nの画像データのクラスタリングを行う」と記載。
⑤〇:半導体パターン検査装置として記載。

■2件目:類似度 80%

  • 公開番号: JP2018032071A
  • 出願日: 2016-08-22
  • 公開日: 2018-03-01
  • 出願人: 株式会社クレスコ
  • 名称: 検証装置、検証方法及び検証プログラム
  • 要点: (産業分野)画像検証システム。(課題)高精度に対象の事象を検証する。(解決手段)異なる複数の学習データで学習させた複数の分類器を用い、各分類器の出力値から対象の状態を特定する。(効果・特徴)複数の分類器を組み合わせることで、高精度な検証が可能。

〇特徴別の該否結果と判定理由
①〇:「異なる複数の学習データで学習させ」と記載。
②〇:「複数の分類器を有する分類部」と記載。
③△:中間層の出力利用について明確な記載なし。
④〇:「各値から、取得部が取得した画像の検証対象の状態を特定する」と記載。
⑤△:半導体製造工程への具体的適用について記載なし。

■3件目:類似度 75%

  • 公開番号: JP2023065861A
  • 出願日: 2021-10-28
  • 公開日: 2023-05-15
  • 出願人: 株式会社カネカ
  • 名称: 外観検査システム及び外観検査方法
  • 要点: (産業分野)半導体外観検査。(課題)より正確に半導体の外観を検査する。(解決手段)配線領域と非配線領域を跨る撮影画像から特徴量を抽出し、機械学習モデルを用いて良否判定を行う。(効果・特徴)画像処理と機械学習の組み合わせにより高精度な検査を実現。

〇特徴別の該否結果と判定理由
①〇:「機械学習部」が画像から特徴量を抽出する記載あり。
②〇:「良否判定部」が分類を行う記載あり。
③×:中間層出力の利用について記載なし。
④〇:「良否判定を行う」と記載。
⑤〇:「半導体の外観を検査」と記載。


4.総括(考察・コメント)

1.産業分野の比較

  • アイデアと抽出公報はいずれも半導体製造における検査・分類技術に関するもの
  • 特にJP2021209867Aはニューラルネットワークと分類器を組み合わせた構成で、アイデアと極めて類似

2.課題の比較

  • アイデアは欠陥の自動分類を目指している
  • 抽出公報も同様に、画像からの特徴抽出と分類による自動検査を課題としている
  • 特にJP2021209867AとJP2018032071Aは、機械学習を用いた分類精度向上という点で共通

3.解決手段の比較

  • アイデアは中間層出力を特徴量として利用する点が特徴的
  • JP2021209867Aが最も類似しており、中間層のニューロン出力値を特徴量として用いる点が一致
  • その他の公報は、機械学習による特徴抽出は共通するが、中間層出力の利用については明示されていないものが多い

新規性や進歩性に関する意見やアドバイスを得るためには、弁理士などの専門家に相談することをお勧めします。

アイデアの特徴①②③④⑤と抽出公報を対比、評価しました。
以下の通り、ご報告いたします。

・アイデアの特徴
①入力画像から特徴量を抽出する第1のニューラルネットワークを有する
②抽出された特徴量に基づきクラスタリングを行う分類器を有する
③第1のニューラルネットワークの中間層の出力を特徴量として利用する
④分類器によって欠陥の種類をクラスタリングする
⑤半導体製造工程における欠陥検査に適用される

・抽出公報
公報番号:JPWO2021209867(出願日:2021-04-09、公開日:2021-10-21、出願人:株式会社半導体エネルギー研究所、名称:パターン検査装置)

・該否結果

公報番号(出願人)類似度 (%)
JPWO2021209867(半導体エネルギー研)100%

特徴①と抽出公報との比較

・該否結果:〇

・特徴①に対応する箇所と内容:
「前記識別モデルは、複数の畳み込み層と、複数のプーリング層と、第1の全結合層と、第2の全結合層と、第3の全結合層と、第4の全結合層と、第5の全結合層と、を有し」

・補足:
特徴①は「入力画像から特徴量を抽出する第1のニューラルネットワークを有する」であり、抽出公報Ⅰでは識別モデルとして畳み込み層やプーリング層を含むニューラルネットワークが記載されています。


特徴②と抽出公報との比較

・該否結果:〇

・特徴②に対応する箇所:
「前記分類器は、前記第1乃至第nの特徴量に基づいて、前記第1乃至第nの画像データのクラスタリングを行う機能を有する」

・補足:
特徴②は「抽出された特徴量に基づきクラスタリングを行う分類器を有する」であり、抽出公報Ⅰには特徴量に基づくクラスタリング機能を持つ分類器が明確に記載されています。


特徴③と抽出公報との比較

・該否結果:〇

・特徴③に対応する箇所:
「前記処理部から出力される特徴量は、前記第1の全結合層が有するニューロンの数値、前記第2の全結合層が有するニューロンの数値、または、前記第3の全結合層が有するニューロンの数値であり」

・補足:
特徴③は「第1のニューラルネットワークの中間層の出力を特徴量として利用する」であり、抽出公報Ⅰでは中間層(全結合層)のニューロン値を特徴量として使用することが明記されています。


特徴④と抽出公報との比較

・該否結果:〇

・特徴④に対応する箇所:
「前記分類器に、前記処理部から出力された第1乃至第nの特徴量が供給され、前記分類器は、前記第1乃至第nの特徴量に基づいて、前記第1乃至第nの画像データのクラスタリングを行う機能を有する」

・補足:
特徴④は「分類器によって欠陥の種類をクラスタリングする」であり、抽出公報Ⅰでは分類器が画像データ(不良を含む)のクラスタリングを行うことが記載されています。


特徴⑤と抽出公報との比較

・該否結果:〇

・特徴⑤に対応する箇所:
「パターン検査装置」「不良が含まれると判別された画像データ」

・補足:
特徴⑤は「半導体製造工程における欠陥検査に適用される」であり、抽出公報Ⅰはパターン検査装置として不良検出に用いられることが記載されています。


総括(アイデアと抽出公報の比較)

1.産業分野の比較:
両者とも半導体製造工程における検査・品質管理分野に属しており、画像処理とAIを活用したパターン検査技術という点で完全に一致している。

2.課題の比較:
両者とも製造工程における欠陥の自動検出と分類という課題に取り組んでおり、特に画像データから効率的に特徴を抽出し、欠陥を適切に分類するという具体的な課題においても一致している。

3.解決手段の比較:
ニューラルネットワークによる特徴抽出、中間層の出力を特徴量として利用、その特徴量に基づくクラスタリングという解決手段が完全に一致している。さらに、具体的なネットワーク構造やクラスタリング手法まで類似している。

以下は、アイデアの特徴と抽出公報に関して対比表にまとめたものです:

アイデアの特徴と抽出公報との対比表

特徴記載箇所記載内容(抽出公報から転記)一致点相違点類似度
①:入力画像から特徴量を抽出する第1のニューラルネットワーク【請求項1】複数の畳み込み層と、複数のプーリング層と、第1乃至第5の全結合層を有するニューラルネットワークによる特徴量抽出なし高い
②:特徴量に基づくクラスタリングを行う分類器【請求項1】分類器は、第1乃至第nの特徴量に基づいて、画像データのクラスタリングを行う特徴量に基づくクラスタリング機能なし高い
③:中間層の出力を特徴量として利用【請求項1】特徴量は、第1-3の全結合層が有するニューロンの数値中間層出力の特徴量利用なし高い
④:欠陥種類のクラスタリング【請求項1】分類器による画像データ(不良含む)のクラスタリング欠陥のクラスタリング機能なし高い
⑤:半導体製造工程の欠陥検査に適用【発明の名称】パターン検査装置半導体製造における欠陥検査なし高い

■総括(考察、コメント)

  1. 基本構成:両者とも深層学習を用いた欠陥検査システムを記載しており、基本構成は完全に一致しています。
  2. 特徴抽出手法:両者とも畳み込みニューラルネットワークを使用し、中間層の出力を特徴量として利用する点で一致しています。
  3. クラスタリング方法:特徴量に基づく欠陥のクラスタリングという手法が完全に一致しています。
  4. 適用分野:半導体製造工程における欠陥検査という適用分野も同一です。
  5. 技術的アプローチ:ニューラルネットワークの詳細構造(層の構成)まで極めて類似しており、技術的アプローチが同一であることを示しています。

総じて、両者は特徴抽出からクラスタリングまでの処理フロー、適用分野、具体的な技術手法のすべてにおいて高い類似性を示しています。実質的に同一の技術内容を開示していると判断できます。

本テーマに関連する特許出願について、出願年,出願人等の観点で分析しました。

1-1. 出願年別の傾向分析:

出願年件数主な技術トレンド
2016年3件検証システム、半導体装置、学習支援
2017年7件表示装置、ニューラルネットワーク、学習サービス
2018年12件画像処理、撮像装置、表示システム
2019年4件学習処理装置、異常検知、製造プロセス
2020年12件半導体素子予測、画像処理、データ圧縮
2021年10件半導体装置、画像認識、不良検査
2022年9件情報処理システム、電子機器、画像処理
2023年8件イジングモデル、学習データ生成、加工状態検出
2024年5件医用画像処理、学習モデル生成、電子機器

補足説明: 2018年と2020年に出願のピークがあり、画像処理・半導体装置関連の技術が中心となっています。近年は機械学習を活用した製造プロセスの最適化や品質管理、医療分野への応用など、応用領域が多様化しています。また、イジングモデルや量子アニーリングなど、新しい計算パラダイムに関する特許も増加傾向にあります。

1-2. 主要出願人別の技術領域:

出願人件数主な技術領域
半導体エネルギー研究所42件表示装置、画像処理、半導体装置
旭化成/旭化成エレクトロニクス6件学習処理、半導体製造、制御条件最適化
キヤノン5件医用画像処理、検査装置、成形装置
レゾナック2件イジングモデル、複合材料
その他45件情報処理システム、異常検知、製造プロセス

補足説明: 半導体エネルギー研究所が圧倒的な出願件数を誇り、特に表示装置や画像処理分野での技術開発が顕著です。素材・部材メーカーは製造プロセスの最適化や品質管理に注力し、装置メーカーは検査・計測技術の高度化に焦点を当てています。

1-3. 技術分野別の分類:

技術分野件数主な特徴
画像処理・認識28件画質改善、物体検出、不良検査
半導体製造・検査20件プロセス最適化、特性予測、品質管理
表示装置15件画質補正、輝度制御、色調整
機械学習基盤12件モデル軽量化、学習効率化、推論高速化
データ処理・最適化25件イジングモデル、材料設計、工程最適化

補足説明: 画像処理・認識技術が最も多く、半導体製造・検査分野での応用も活発です。近年は機械学習基盤技術の進化により、より高度な最適化や予測が可能になっており、製造プロセスや材料設計への応用が増加しています。

1-4. 技術課題別の分類:

技術課題件数主なアプローチ
性能向上・最適化35件学習モデル改善、処理効率化、予測精度向上
品質管理・検査25件異常検知、不良判定、プロセス監視
自動化・効率化20件工程最適化、条件設定自動化、データ活用
省電力・軽量化20件モデル圧縮、演算効率化、回路最適化

補足説明: 性能向上・最適化に関する技術が最も多く、特に学習モデルの改善や処理効率化に注力しています。品質管理・検査分野では、AIを活用した異常検知や不良判定の高度化が進んでいます。

1-5. 総括

半導体・電機業界におけるAI関連特許は、画像処理・認識技術を中心に、製造プロセスの最適化や品質管理への応用が主流となっています。特に半導体エネルギー研究所による表示装置・画像処理分野での技術開発が活発です。近年は、イジングモデルや量子アニーリングなど新しい計算パラダイムの活用や、医療分野への応用など、技術の多様化が進んでいます。また、機械学習モデルの軽量化や省電力化、処理効率の向上など、実用化に向けた取り組みも増加しています。今後は、より高度な最適化技術や自動化技術の開発が進むと予想されます。

特許出願の内容を出願年,出願人の観点から分析しました。

2-1. 技術分野による分類

技術分野特徴的な出願内容件数
ニューラルネットワーク基盤モデル最適化、学習方法、推論処理25件
画像処理/認識画質改善、異常検知、パターン認識22件
半導体製造/検査製造プロセス制御、品質管理、不良検出18件
センサ/IoTデータ収集、環境認識、状態監視12件
表示技術画質補正、輝度制御、色調整15件
システム制御プロセス最適化、予測制御、異常検知8件

主にニューラルネットワークの基盤技術と画像処理分野での出願が多く、半導体製造プロセスへのAI応用も活発です。基礎研究から実用化まで幅広い技術領域をカバーしており、特に製造業でのAI活用が進んでいることが分かります。

2-2. 産業分野による分類

産業分野応用例該当特許数
半導体製造プロセス制御、品質管理、歩留まり向上35件
電機/電子画像処理、センサ制御、表示制御28件
製造業全般生産管理、品質検査、設備保全15件
医療/ヘルスケア画像診断、データ分析10件
情報通信データ処理、通信制御12件

半導体産業を中心に、電機・電子産業での応用が目立ちます。製造業全般でのAI活用も進んでおり、特に品質管理や設備保全での活用が増加しています。医療分野など新たな産業領域への展開も始まっています。

2-3. 製品分野による分類

製品分野具体例件数
半導体デバイスメモリ、センサ、プロセッサ30件
検査装置外観検査、品質検査システム25件
表示デバイスディスプレイ、画像処理装置20件
制御システムプロセス制御、設備制御15件
センサシステムIoTデバイス、モニタリング装置10件

半導体デバイスと検査装置での出願が多く、特に品質管理や生産性向上に関する技術が中心です。表示デバイスやセンサシステムなど、エッジデバイスでのAI実装も増加傾向にあります。

2-4. 技術背景による分類

技術背景内容関連特許数
製造品質向上歩留まり改善、不良低減35件
処理効率化自動化、省力化、コスト削減25件
性能向上精度向上、高速化20件
省エネルギー消費電力削減、環境負荷低減12件
新機能実現新規サービス、付加価値創出8件

製造品質の向上と処理効率化が主な技術背景となっており、AI技術の実用化が進んでいることが分かります。性能向上や省エネルギー化など、持続可能な製造への取り組みも見られます。

2-5. 用途による分類

用途具体例件数
品質管理検査、不良検出、予測保全38件
プロセス制御製造条件最適化、異常検知25件
データ処理画像認識、特徴抽出20件
システム最適化効率化、省エネルギー化12件
新機能開発新サービス、機能向上5件

品質管理とプロセス制御での活用が中心で、製造現場での実用化が進んでいます。データ処理やシステム最適化など、幅広い用途での活用も見られます。

2-6. 課題による分類

課題具体的内容件数
品質向上不良率低減、製品性能向上35件
効率化生産性向上、コスト削減28件
精度向上検出精度、予測精度改善20件
自動化省人化、作業効率向上12件
省エネ消費電力削減、環境配慮5件

品質向上と効率化が主要な課題となっており、製造業でのAI活用の方向性を示しています。精度向上や自動化など、技術的な課題解決にも注力されています。

2-7. 解決手段による分類

解決手段アプローチ件数
AI/ML技術深層学習、機械学習45件
システム化統合制御、自動化25件
センシングデータ収集、モニタリング18件
最適化アルゴリズム改良、効率化12件

AI/ML技術が主要な解決手段として採用されており、システム化やセンシング技術と組み合わせた包括的なアプローチが見られます。

2-8. 効果による分類

効果具体的な改善点件数
品質改善不良率低減、性能向上38件
効率向上生産性向上、コスト低減32件
精度向上検出精度、予測精度向上20件
省エネ化消費電力削減、環境負荷低減10件

2-9. 総括

本分析対象の特許群から、製造業特にハードウェア産業におけるAI技術の実用化が着実に進展していることが見て取れます。主要な出願人である半導体エネルギー研究所を中心に、製造プロセスの品質向上や効率化に焦点を当てた技術開発が活発に行われています。特に画像処理・認識技術や機械学習を活用した製造管理の高度化が注目されており、実用化レベルでの技術確立が進んでいます。また、省エネルギーや環境負荷低減といったサステナビリティへの取り組みも見られ、今後はこれらの分野での技術革新が期待されます。

本テーマに関連する特許について、技術要素等をカテゴライズしました。

大カテゴリ中カテゴリ小カテゴリ説明
1. ニューラルネットワーク構造1.1 層構成1.1.1 多層構造第1層から第3層等、複数の層を組み合わせたネットワーク構成
1.1.2 特徴マップ生成各層から特徴マップを抽出・処理する技術
1.1.3 重み最適化学習による重み係数の最適化手法
1.2 演算処理1.2.1 畳み込み演算画像等の特徴抽出のための畳み込み処理技術
1.2.2 活性化関数ニューロンの出力を決定する活性化関数の実装
1.2.3 並列処理複数のニューロンによる並列演算処理
1.3 メモリ構成1.3.1 重み保持学習済み重みを保持するメモリ構成
1.3.2 データキャッシュ中間データの一時保持メモリ構成
1.3.3 不揮発性記憶電源OFF後も保持可能な記憶構造
2. 学習手法2.1 教師あり学習2.1.1 誤差逆伝播出力誤差を用いた重み更新アルゴリズム
2.1.2 転移学習既存モデルの再利用による学習効率化
2.1.3 データ拡張学習データの水増し手法
2.2 教師なし学習2.2.1 特徴抽出データの特徴的なパターンの自動抽出
2.2.2 クラスタリングデータの自動分類・グループ化
2.2.3 異常検知通常パターンからの逸脱検出
2.3 強化学習2.3.1 行動最適化報酬に基づく行動決定の最適化
2.3.2 探索戦略効率的な行動探索アルゴリズム
2.3.3 報酬設計目的に応じた報酬関数の設計手法
3. 応用分野3.1 画像処理3.1.1 物体認識画像からの物体検出・認識処理
3.1.2 超解像低解像度画像の高精細化処理
3.1.3 ノイズ除去画像ノイズの低減・除去処理
3.2 予測・推定3.2.1 特性予測半導体素子等の特性値予測
3.2.2 異常予測装置・プロセスの異常予兆検知
3.2.3 品質予測製品品質の予測評価
3.3 制御・最適化3.3.1 プロセス制御製造プロセスの自動制御
3.3.2 パラメータ最適化制御パラメータの自動調整
3.3.3 スケジューリング工程・リソースの最適配分
4. ハードウェア実装4.1 演算回路4.1.1 積和演算器重み付き加算の専用演算回路
4.1.2 非線形変換活性化関数の回路実装
4.1.3 パイプライン演算の段階的実行回路
4.2 メモリ構成4.2.1 オンチップメモリチップ内蔵の高速メモリ構成
4.2.2 外部メモリ大容量データ用外部メモリ
4.2.3 キャッシュ制御データアクセスの効率化制御
4.3 インターフェース4.3.1 データ入出力外部とのデータ転送制御
4.3.2 制御信号動作タイミング等の制御系統
4.3.3 クロック分配システムクロックの供給制御
5. システム統合5.1 分散処理5.1.1 負荷分散処理負荷の分散制御技術
5.1.2 データ同期分散データの整合性管理
5.1.3 障害対策システム信頼性確保技術
5.2 性能最適化5.2.1 電力制御消費電力の最適化制御
5.2.2 処理速度演算処理の高速化技術
5.2.3 リソース効率ハードウェアリソースの効率利用
5.3 保守管理5.3.1 モニタリングシステム状態の監視技術
5.3.2 診断機能異常検知・診断機能
5.3.3 更新管理モデル・パラメータの更新制御
6. データ処理6.1 前処理6.1.1 ノイズ除去入力データのノイズ低減処理
6.1.2 正規化データスケールの標準化処理
6.1.3 特徴抽出有効特徴量の抽出処理
6.2 データ変換6.2.1 次元圧縮データ次元の削減処理
6.2.2 形式変換データフォーマットの変換
6.2.3 符号化データの効率的な符号化
6.3 後処理6.3.1 フィルタリング出力データの選別・補正
6.3.2 統合処理複数出力の統合・融合
6.3.3 可視化処理結果の視覚化技術
7. 最適化技術7.1 アーキテクチャ最適化7.1.1 層構造設計ネットワーク層構成の最適化
7.1.2 接続トポロジーニューロン間結合の最適化
7.1.3 演算精度数値演算精度の最適化
7.2 学習最適化7.2.1 学習率制御学習速度の適応的制御
7.2.2 正則化過学習防止技術
7.2.3 収束判定学習終了条件の設定
7.3 推論最適化7.3.1 計算量削減演算処理の効率化技術
7.3.2 精度制御推論精度の制御技術
7.3.3 レイテンシ制御処理遅延の最適化制御
8. 評価・検証8.1 性能評価8.1.1 精度評価予測・認識精度の評価
8.1.2 速度評価処理速度の評価測定
8.1.3 効率評価リソース利用効率の評価
8.2 信頼性評価8.2.1 安定性評価動作安定性の検証
8.2.2 耐故障性障害耐性の評価
8.2.3 再現性処理結果の再現性検証
8.3 実用性評価8.3.1 運用性実運用時の使いやすさ評価
8.3.2 保守性メンテナンス性の評価
8.3.3 拡張性機能拡張の容易さ評価

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