AI特許調査
事例紹介
オペレーションシステムに関する特許調査をしてみた!
テーマ:オペレーションシステムに関するAI特許調査
・調査観点
複数の異なるプライベートデータセットで個別に訓練された人工知能モデル群から、各モデルの予測結果を収集し、収集した予測結果と入力データセットのみを用いて新たな適応型モデルを構築する分散学習システムにおいて、元のプライベートデータセットにアクセスすることなく、複数モデルの知識を統合し、予測精度を向上させることを特徴とする機械学習システム。
目的
上記のアイデア(調査観点)に関連する特許を抽出する。
条件
調査対象国:JP
調査資料:特許公報、実用新案公報
調査期間:出願10年
ステータス:生死不問
調査母集合:オペレーションシステムとAI(人工知能、機械学習、ディープラーニング、深層学習)に関するもの
作業
- AIを使って、アイデアを生成&ブラッシュアップ
- AIを使って、アイデアに関連する特許を抽出
- AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(詳細評価)
- AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(対比表作成)
- AIを使って、アイデアと類似する特許の出願動向分析
- AIを使って、アイデアと類似する技術カテゴリ抽出
目的①
先行技術調査
新規の特許出願を行う前に、類似する既存の特許公報を探す調査です。発明の新規性や進歩性を確認し、特許取得の可能性を判断します。無駄な出願を防ぎ、より強い特許請求範囲の作成に役立ちます。
目的②
侵害予防調査
新製品の開発・販売前に、他社の特許権を侵害していないかを確認する調査です。他社特許に抵触するリスクを事前に把握し、設計変更や回避策の検討、ライセンス交渉の判断材料として活用します。
目的③
無効資料調査
特定の特許の有効性を検証するための調査です。対象特許の出願前に公知となっていた特許公報を探し、新規性や進歩性を否定できる資料を収集します。特許無効審判や侵害訴訟での資料に使用されます。
オペレーションシステム × 事例紹介
Case Study
AIを活用した特許調査を動画とテキストでご紹介!
近年、人工知能(AI)技術の進歩により、特許調査の手法も大きく変化しています。AIを活用した特許調査では、従来の検索式による方法に加え、自然言語処理や機械学習の技術を用いることで、より広範な関連技術の発見や、類似特許の効率的な抽出が可能となっています。
特に、AIによる言語の意味理解や文脈把握により、キーワードだけでは発見が困難だった技術文献の特定や、異なる技術分野での類似発明の発見などで成果を上げています。また、大量の特許文献を短時間で分析し、技術動向の可視化や重要文献の優先度付けなども実現しています。
このような先進的な調査手法の導入により、調査の質と効率が向上し、より効果的な特許戦略の立案が可能となっています。
AIを使って、アイデアを生成&ブラッシュアップ
AIを活用し、特許出願できそうなアイデアを10件、考えました。
以下の通り、ご報告いたします。
1.プライベートデータ保護型分散学習システム
複数の異なるプライベートデータセットで個別に訓練された人工知能モデル群から、各モデルの予測結果を収集し、収集した予測結果と入力データセットのみを用いて新たな適応型モデルを構築する分散学習システムにおいて、元のプライベートデータセットにアクセスすることなく、複数モデルの知識を統合し、予測精度を向上させることを特徴とする機械学習システム。
・アイデアの特徴
①複数の独立したプライベートデータセットで訓練された個別のAIモデルを使用する
②各モデルからの予測結果のみを収集し、元データへのアクセスを行わない
③収集した予測結果と新規入力データを用いて適応型モデルを訓練する
④適応型モデルは元のプライベートデータセットにアクセスせずに学習を行う
⑤複数モデルの知識を統合し、予測精度を向上させる機能を有する
2.マルチモーダル会話タスク抽出システム
会話アプリケーションから取得した文字、音声、画像データに対し、畳み込みニューラルネットワークによる特徴抽出と再帰型ニューラルネットワークによる文脈理解を組み合わせ、複数のモダリティから具体的なタスク情報を抽出し、タスク実行アプリケーションへ提供することを特徴とするタスク抽出システム。
・アイデアの特徴
①会話アプリケーションから文字、音声、画像の複数種類のデータを取得する
②畳み込みニューラルネットワークにより各データの特徴を抽出する
③再帰型ニューラルネットワークにより文脈を考慮したタスク抽出を行う
④抽出されたタスク情報を実行アプリケーションへ提供する
⑤複数のデータ種類を統合して精度の高いタスク抽出を実現する
3.データドリフト補正型予測システム
学習データと運用データから抽出した特徴量の分布の差異を検出し、運用データから得られた予測結果に対して、特徴量の分布差異に基づく補正を適用することで、データドリフトが生じた場合でも安定した予測精度を維持することを特徴とする予測システム。
・アイデアの特徴
①学習データと運用データそれぞれから特徴量を抽出する
②両データセット間の特徴量分布の差異を分析する
③運用データを用いて予測結果を算出する
④特徴量の分布差異に基づいて予測結果を補正する
⑤補正された予測結果を出力する
4.マニュアルベース質問応答システム
分析装置のマニュアルデータを用いて学習された応答推論モデルにより、装置に関する質問への回答を自動生成するシステムにおいて、マニュアルの手順データと質問応答履歴を組み合わせた学習により、文脈を考慮した適切な応答を生成することを特徴とする質問応答システム。
・アイデアの特徴
①マニュアルデータの分散表現を生成する応答推論モデルを使用する
②マニュアルの手順データと質問応答履歴データを学習に使用する
③質問から適切な応答を推論する機能を有する
④文脈を考慮した応答生成を行う
⑤端末装置とサーバ装置間で質問と応答をやり取りする
5.部分画像活用型学習システム
画像とラベルを含む学習データから、画像処理プログラムを用いて部分画像を切り出し、切り出した部分画像と元画像のラベルを関連付けた軽量学習データを作成し、作成した軽量学習データを用いて効率的な学習を実現することを特徴とする機械学習システム。
・アイデアの特徴
①画像処理プログラムによる部分画像の切り出しを行う
②部分画像とラベルを関連付けた軽量学習データを作成する
③画像処理プログラムと軽量学習データを関連付けて記憶する
④軽量化された学習データを用いて機械学習を実行する
⑤元の学習データまたは軽量学習データを選択的に使用可能とする
6.マルウェア特徴量抽出システム
マルウェアのファジーハッシュ値とマルウェアクラス情報を入力層とするニューラルネットワークにより特徴量を算出し、算出した特徴量とセキュリティ公開情報から抽出した特徴量との類似度に基づき、関連するセキュリティ情報を検索することを特徴とするセキュリティ情報調査システム。
・アイデアの特徴
①マルウェアのファジーハッシュ値とクラス情報を取得する
②ニューラルネットワークによる特徴量算出モデルを使用する
③セキュリティ公開情報から特徴量を抽出する
④特徴量間の類似度を算出する
⑤類似度に基づき関連セキュリティ情報を検索する
7.段階的音声認識学習システム
クリーンな音声データによる一次学習と、ノイズを含む音声データによる二次学習を組み合わせ、一次学習過程で得られた出力クラスの確率分布を二次学習に活用することで、ノイズに対する耐性を向上させることを特徴とする音声認識システム。
・アイデアの特徴
①クリーン音声データによる一次学習を実施する
②一次学習時の出力クラス確率分布を記録する
③ノイズ付加音声データによる二次学習を実施する
④確率分布情報を二次学習に活用する
⑤段階的学習によりノイズ耐性を向上させる
8.カテゴリ別機械翻訳システム
入力文章のカテゴリを判定し、判定されたカテゴリに特化した翻訳モデルを選択して翻訳を行うシステムにおいて、各カテゴリの学習コーパスに基づく判定モデルと翻訳モデルを組み合わせることで、翻訳精度と処理速度を向上させることを特徴とする機械翻訳システム。
・アイデアの特徴
①カテゴリ別の翻訳モデルを用意する
②入力文章のカテゴリを自動判定する
③判定されたカテゴリの翻訳モデルを選択する
④選択したモデルで翻訳を実行する
⑤カテゴリ別処理により翻訳精度と速度を向上させる
9.マルチタスク認識システム
入力データに対して、認識対象の識別と関連する分類を同時に行うモデルを学習するシステムにおいて、正解データと分類ラベルを組み合わせた学習により、複数種類の出力を同時に生成することを特徴とする情報処理システム。
・アイデアの特徴
①入力データと正解データ、分類ラベルを取得する
②認識対象の識別と分類を同時に行うモデルを構築する
③正解データに対応する第1出力を生成する
④分類ラベルに対応する第2出力を生成する
⑤複数種類の出力を同時に処理する
10.時系列楽曲解析システム
順番を持つ複数の楽曲の音声データに関する情報を、順番の次元で並べて入力し、その次元においてカーネルによる畳み込みを行う推定用モデルを生成することで、楽曲の時系列的な特徴を考慮した解析を行うことを特徴とする推定システム。
・アイデアの特徴
①複数楽曲の音声データを順番に並べて取得する
②順番の次元でカーネル畳み込みを実行する
③時系列的な特徴を考慮したモデルを生成する
④生成したモデルで楽曲の推定を行う
⑤楽曲間の関係性を考慮した解析を実現する
AIを使って、アイデアに関連する特許を抽出
以下のアイデアに関連する特許公報を8件抽出しました。以下の通り、報告いたします。
・アイデア(調査観点、請求項案)
複数の異なるプライベートデータセットで個別に訓練された人工知能モデル群から、各モデルの予測結果を収集し、収集した予測結果と入力データセットのみを用いて新たな適応型モデルを構築する分散学習システムにおいて、元のプライベートデータセットにアクセスすることなく、複数モデルの知識を統合し、予測精度を向上させることを特徴とする機械学習システム。
■技術的特徴
上記のアイデアの技術的特徴は以下の通りです。
①複数の異なるプライベートデータセットで個別に訓練された人工知能モデル群を使用する
②各モデルから予測結果を収集する
③収集した予測結果と入力データセットのみを使用する
④新たな適応型モデルを構築する
⑤元のプライベートデータセットにアクセスせずに複数モデルの知識を統合する
1.関連公報の抽出結果
上記のアイデアに関連する公報を8件、抽出しました。
- JP2023513613A (オムロン株式会社) - 機械学習モデル
- JP2024502081A (株式会社日立製作所) - 重み付き知識移転装置、方法、及びシステム
- JP2023136713A (株式会社東芝) - 学習装置、方法、プログラムおよび推論システム
- JP2024014770A (株式会社日立製作所) - 自然言語およびビジョンデータを使用して制御ポリシーを学習する報酬生成方法
- JP2022164640A (トヨタ自動車株式会社) - マルチモーダル自動ラベル付けと能動的学習のためのデータセット管理
- JP2022049570A (LINEヤフー株式会社) - 情報処理装置、情報処理方法
- JP2024019050A (楽天グループ株式会社) - マルチタスク学習用のオンライン知識蒸留システム
- JP2019175176A (富士通株式会社) - 適合度算出プログラム、方法、装置
2.特徴別の該否結果
上記で抽出した特許公報について、アイデアの特徴5点に関する該否結果をまとめました。
※評価基準:〇(特徴の要件を全て含む)、△(特徴の要件を一部含む)、×(特徴の要件を一つも含まない)
公報番号(出願人) | 類似度 (%) | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
---|---|---|---|---|---|---|
JP2023513613A (オムロン) | 95% | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
JP2024502081A (日立製作所) | 90% | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
JP2023136713A (東芝) | 75% | △ | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
JP2024014770A (日立製作所) | 70% | △ | 〇 | 〇 | 〇 | × |
JP2022164640A (トヨタ) | 65% | 〇 | △ | × | 〇 | △ |
JP2022049570A (LINEヤフー) | 60% | △ | 〇 | △ | 〇 | × |
JP2024019050A (楽天) | 55% | △ | △ | △ | 〇 | × |
JP2019175176A (富士通) | 50% | × | 〇 | △ | △ | × |
3.抽出公報の詳細レビュー
類似度の高い抽出公報3件について、より詳細な評価結果をまとめました。
■1件目:類似度 95%
- 公開番号: JP2023513613A
- 出願日: 2021-02-12
- 公開日: 2023-03-31
- 出願人: オムロン株式会社
- 名称:機械学習モデル
- 要点:(産業分野)機械学習・分散学習システム。(課題)プライバシーを保護しながら複数の異なるプライベートデータセットから学習したモデルの知識を統合すること。(解決手段)第1および第2のプライベートデータセットで個別に生成された人工知能モデルからの結果データセットを用いて適応共蒸留モデルを訓練する。(効果・特徴)元のプライベートデータセットにアクセスせずに複数モデルの知識を統合できる。
- 公報リンク(GooglePatents):https://patents.google.com/patent/JP2023513613A
〇特徴別の該否結果と判定理由
①複数のプライベートデータセットで訓練されたモデル群:〇
※判定理由:「第1のプライベートデータセットを用いて生成された第1のプライベート人工知能モデルと、第2のプライベートデータセットを用いて生成された第2のプライベート人工知能モデル」と明記されている。
②各モデルから予測結果を収集:〇
※判定理由:「第1のプライベート人工知能モデルからの第1の結果データセットの受信と、第2のプライベート人工知能モデルからの第2の結果データセットの受信」と明記されている。
③収集した予測結果と入力データセットのみを使用:〇
※判定理由:「入力データセットと第1および第2の結果データセットを用いた適応共蒸留モデルの訓練」と明記されている。
④新たな適応型モデルを構築:〇
※判定理由:「適応共蒸留モデルの訓練」と明記されている。
⑤元データにアクセスせずに知識統合:〇
※判定理由:「適応共蒸留モデルは、第1のプライベートデータセットまたは第2のプライベートデータセットで訓練されない」と明記されている。
■2件目:類似度 90%
- 公開番号: JP2024502081A
- 出願日: 2021-03-11
- 公開日: 2024-01-17
- 出願人: 株式会社日立製作所
- 名称:重み付き知識移転装置、方法、及びシステム
- 要点:(産業分野)機械学習・知識移転システム。(課題)プライバシーを保護しながら複数のモデルの知識を効率的に統合すること。(解決手段)公開知識移転データセットとプライベート知識移転データセットの類似度に基づき重み付けを行い、プライベートモデルの知識を公開モデルに移転する。(効果・特徴)データプライバシーを維持しつつ高性能な公開機械学習モデルを実現できる。
- 公報リンク(GooglePatents):https://patents.google.com/patent/JP2024502081A
〇特徴別の該否結果と判定理由
①複数のプライベートデータセットで訓練されたモデル群:〇
※判定理由:「プライベート知識移転データセットに基づいてトレーニングされた機械学習モデルのセット」と明記されている。
②各モデルから予測結果を収集:〇
※判定理由:「機械学習モデルのセットによって、公開トレーニングデータセットを処理することにより、公開特性のセットのラベルを示す公開ラベルベクトルを生成する」と明記されている。
③収集した予測結果と入力データセットのみを使用:〇
※判定理由:「重みベクトル、公開トレーニングデータセット、及び公開ラベルベクトルに基づいて、公開機械学習モデルを生成する」と明記されている。
④新たな適応型モデルを構築:〇
※判定理由:「公開機械学習モデルを生成する知識移転部」と明記されている。
⑤元データにアクセスせずに知識統合:△
※判定理由:プライベートデータへの直接アクセスを避ける意図は示されているが、明確な記載がない。
■3件目:類似度 75%
- 公開番号: JP2023136713A
- 出願日: 2022-03-17
- 公開日: 2023-09-29
- 出願人: 株式会社東芝
- 名称:学習装置、方法、プログラムおよび推論システム
- 要点:(産業分野)機械学習・モデル結合システム。(課題)複数モデルの予測結果を効率的に統合し、予測精度を向上させること。(解決手段)対象データを複数の部分データに分割し、第1モデルと第2モデルの予測結果および確信度に基づいてモデルのパラメータを更新する。(効果・特徴)複数のモデルの予測結果を効率的に組み合わせて精度を向上できる。
- 公報リンク(GooglePatents):https://patents.google.com/patent/JP2023136713A
〇特徴別の該否結果と判定理由
①複数のプライベートデータセットで訓練されたモデル群:△
※判定理由:複数のモデルを使用する記載はあるが、プライベートデータセットでの訓練については明確な記載がない。
②各モデルから予測結果を収集:〇
※判定理由:「第1予測結果および第2予測結果」を取得することが明記されている。
③収集した予測結果と入力データセットのみを使用:〇
※判定理由:「第1予測結果および第2予測結果と、第1確信度および第2確信度とに基づいて」更新を行うことが明記されている。
④新たな適応型モデルを構築:〇
※判定理由:「第1モデルのパラメータを更新する」と明記されている。
⑤元データにアクセスせずに知識統合:△
※判定理由:元データへのアクセスを制限する明確な記載がない。
4.総括(考察・コメント)
ユーザーが入力したアイデアと抽出した公報を比較すると、以下のような考察ができます:
1.産業分野の比較:
・アイデアと抽出公報は、いずれも機械学習・分散学習システムの分野に属している。
・特に、プライバシーを考慮した知識統合や転移学習に関する技術が主流となっている。
2.課題の比較:
・抽出公報は主にデータプライバシーの保護と、複数モデルの知識統合という二つの課題に焦点を当てている。
・アイデアも同様の課題に取り組んでおり、特にプライベートデータへのアクセスを避けつつ知識を統合する点で共通している。
3.解決手段の比較:
・抽出公報では、知識蒸留や転移学習などの様々なアプローチが提案されている。
・アイデアは、予測結果と入力データセットのみを用いる点で、よりシンプルかつ実用的なアプローチを採用している。
・特に、JP2023513613A(オムロン)の適応共蒸留モデルは、アイデアと非常に類似したアプローチを採用している。
新規性や進歩性に関する意見やアドバイスを得るためには、弁理士などの専門家に相談することをお勧めします。
AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(詳細評価)
アイデアの特徴①②③④⑤と抽出公報を対比、評価しました。
以下の通り、ご報告いたします。
・アイデアの特徴
①複数の独立したプライベートデータセットで訓練された個別のAIモデルを使用する
②各モデルからの予測結果のみを収集し、元データへのアクセスを行わない
③収集した予測結果と新規入力データを用いて適応型モデルを訓練する
④適応型モデルは元のプライベートデータセットにアクセスせずに学習を行う
⑤複数モデルの知識を統合し、予測精度を向上させる機能を有する
・抽出公報
公報番号:JP2023513613(出願日:2021-02-12、公開日:2023-03-31、出願人:オムロン株式会社、名称:機械学習モデル)
・該否結果
※評価基準:〇(特徴の要件を全て含む)、△(特徴の要件を一部含む)、×(特徴の要件を一つも含まない)
公報番号(出願人) | 類似度 (%) | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
---|---|---|---|---|---|---|
JP2023513613(オムロン) | 100% | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
特徴①と抽出公報との比較
・該否結果:〇
・特徴①の定義:
複数の独立したプライベートデータセットで訓練された個別のAIモデルを使用する
・特徴①に対応する箇所と内容:
【要約】
「第1のプライベートデータセットを用いて生成された第1のプライベート人工知能モデルと、第2のプライベートデータセットを用いて生成された第2のプライベート人工知能モデルとへの、入力データセットの入力を含む。」
・補足:
特徴①は「複数の独立したプライベートデータセットで訓練された個別のAIモデルを使用する」ですが、抽出公報Ⅰでは、第1と第2のプライベートデータセットでそれぞれ訓練された独立した人工知能モデルを使用することが明確に記載されており、完全に一致します。
特徴②と抽出公報との比較
・該否結果:〇
・特徴②の定義:
各モデルからの予測結果のみを収集し、元データへのアクセスを行わない
・特徴②に対応する箇所:
【要約】
「第1のプライベート人工知能モデルからの、第1の結果データセットの受信と、第2のプライベート人工知能モデルからの、第2の結果データセットの受信を含む。」
・補足:
特徴②は「各モデルからの予測結果のみを収集し、元データへのアクセスを行わない」ですが、抽出公報Ⅰでは、各プライベートモデルからの結果データセットのみを受信することが明記されており、元データへのアクセスは行われていません。
特徴③と抽出公報との比較
・該否結果:〇
・特徴③の定義:
収集した予測結果と新規入力データを用いて適応型モデルを訓練する
・特徴③に対応する箇所:
【請求項1】
「第1の訓練フェーズにおいて、前記入力データセットを入力とし、前記第1の結果データセットを目標出力として、適応共蒸留モデルを訓練し、第2の訓練フェーズにおいて、前記入力データセットを入力とし、前記第2の結果データセットを目標出力として、適応共蒸留モデルを訓練する」
・補足:
特徴③は「収集した予測結果と新規入力データを用いて適応型モデルを訓練する」ですが、抽出公報Ⅰでは、入力データセットと各モデルからの結果データセットを用いて適応共蒸留モデルを訓練することが明確に記載されています。
特徴④と抽出公報との比較
・該否結果:〇
・特徴④の定義:
適応型モデルは元のプライベートデータセットにアクセスせずに学習を行う
・特徴④に対応する箇所:
【要約】
「適応共蒸留モデルは、第1のプライベートデータセットまたは第2のプライベートデータセットで訓練されない。」
・補足:
特徴④は「適応型モデルは元のプライベートデータセットにアクセスせずに学習を行う」ですが、抽出公報Ⅰでは、適応共蒸留モデルが元のプライベートデータセットで訓練されないことが明確に記載されています。
特徴⑤と抽出公報との比較
・該否結果:〇
・特徴⑤の定義:
複数モデルの知識を統合し、予測精度を向上させる機能を有する
・特徴⑤に対応する箇所:
【要約】
「入力データセットし、第1の結果データセットを用いた、適応共蒸留モデルの訓練を含む。方法は、さらに、入力データセットと、第2の結果データセットとを用いた、適応共蒸留モデルの訓練を含む。」
・補足:
特徴⑤は「複数モデルの知識を統合し、予測精度を向上させる機能を有する」ですが、抽出公報Ⅰでは、複数のモデルの結果データセットを用いて適応共蒸留モデルを訓練することで、複数モデルの知識を統合する機能が実現されています。
総括(アイデアと抽出公報の比較)
1.産業分野の比較:両者とも機械学習・人工知能の分野に属しており、特にプライバシーを考慮した分散学習システムという点で完全に一致しています。プライベートデータを保護しながら複数のAIモデルの知識を統合するという具体的な用途でも一致しています。
2.課題の比較:プライベートデータを直接共有せずに、複数の独立したAIモデルの知識を効果的に統合するという課題に対して、両者とも同様のアプローチを採用しています。データプライバシーを維持しながら、モデルの予測性能を向上させるという本質的な課題設定が一致しています。
3.解決手段の比較:両者とも、プライベートデータセットで訓練された複数のAIモデルからの予測結果のみを用いて新たな適応型モデルを訓練する方式を採用しています。特に、元のプライベートデータにアクセスせずに、結果データセットのみを用いて知識を統合する手法が完全に一致しています。
AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(対比表作成)
以下は、アイデアの特徴と抽出公報に関して対比表にまとめたものです:
アイデアの特徴と抽出公報との対比表
特徴 | 記載箇所 | 記載内容(抽出公報から転記) | 一致点 | 相違点 | 類似度 | 関連評価 |
---|---|---|---|---|---|---|
①:複数の独立したプライベートデータセットで訓練された個別のAIモデルを使用する | 【要約】 | 第1のプライベートデータセットを用いて生成された第1のプライベート人工知能モデルと、第2のプライベートデータセットを用いて生成された第2のプライベート人工知能モデルとへの、入力データセットの入力を含む。 | 複数の独立したプライベートデータセットによる個別AIモデルの使用 | 特になし | 高い | 〇 |
②:各モデルからの予測結果のみを収集し、元データへのアクセスを行わない | 【要約】 | 第1のプライベート人工知能モデルからの、第1の結果データセットの受信と、第2のプライベート人工知能モデルからの、第2の結果データセットの受信を含む。 | 予測結果のみの収集方式 | 特になし | 高い | 〇 |
③:収集した予測結果と新規入力データを用いて適応型モデルを訓練する | 【請求項1】 | 第1の訓練フェーズにおいて、前記入力データセットを入力とし、前記第1の結果データセットを目標出力として、適応共蒸留モデルを訓練し、第2の訓練フェーズにおいて、前記入力データセットを入力とし、前記第2の結果データセットを目標出力として、適応共蒸留モデルを訓練する | 予測結果と入力データによる適応型モデルの訓練 | 特になし | 高い | 〇 |
④:適応型モデルは元のプライベートデータセットにアクセスせずに学習を行う | 【要約】 | 適応共蒸留モデルは、第1のプライベートデータセットまたは第2のプライベートデータセットで訓練されない。 | プライベートデータセットへの非アクセス | 特になし | 高い | 〇 |
⑤:複数モデルの知識を統合し、予測精度を向上させる機能を有する | 【要約】 | 入力データセットし、第1の結果データセットを用いた、適応共蒸留モデルの訓練を含む。方法は、さらに、入力データセットと、第2の結果データセットとを用いた、適応共蒸留モデルの訓練を含む。 | 複数モデルの知識統合による精度向上 | 特になし | 高い | 〇 |
■総括(考察、コメント)
- 基本構成:
抽出公報は、提案されているアイデアの全ての特徴を網羅的にカバーしており、技術的アプローチが非常に類似しています。 - データセットの取り扱い:
両者とも、プライベートデータセットの保護とセキュリティを重視し、元データへのアクセスを制限する方式を採用しています。 - モデル学習方式:
適応型モデル(共蒸留モデル)の訓練方法について、両者とも予測結果と入力データのみを使用する方式を採用しており、プライバシー保護の観点で一致しています。 - 知識統合メカニズム:
複数のAIモデルからの知識を統合する方法として、両者とも適応型モデルを介した統合アプローチを採用しており、効率的な知識転移を実現しています。 - プライバシー保護:
両者とも、元のプライベートデータセットへのアクセスを完全に遮断することで、データプライバシーを確保する設計となっています。
総じて、アイデアと抽出公報は技術的アプローチ、データ保護方式、モデル学習方法において高い類似性を示しており、基本的な技術思想が一致していると評価できます。
AIを使って、アイデアと類似する特許の出願動向分析
本テーマに関連する特許出願について、出願年,出願人等の観点で分析しました。
1-1. 出願年別の傾向分析:
出願年 | 件数 | 主な技術トレンド |
---|---|---|
2016年 | 4件 | 自然言語処理、音声認識、コミュニケーション支援 |
2017年 | 3件 | 機械翻訳、文字認識、学習データ生成 |
2018年 | 7件 | 準同型暗号、特徴量分類、多クラス分類 |
2019年 | 9件 | データ分類、特徴抽出、ドメイン適応学習 |
2020年 | 11件 | 異常検知、画像認識、モデル軽量化 |
2021年 | 14件 | セキュリティ分析、物体検出、行動予測 |
2022年 | 12件 | 知識蒸留、マルチタスク学習、特徴選択 |
2023年 | 8件 | GANモデル改善、階層型学習、コード生成 |
・補足説明
2016年から2023年にかけて、AI関連特許の出願件数は全体的に増加傾向にある。特に2020-2022年の期間は年間10件以上の出願があり、活発な研究開発活動が行われていたことがわかる。技術トレンドとしては、初期の基本的な機械学習応用から、より高度な技術(知識蒸留、マルチタスク学習など)への移行が見られ、また実用的な応用(セキュリティ、物体検出など)も増加している。近年は特にモデルの効率化や高度化に関する技術が注目されている。
1-2. 主要出願人別の技術領域:
出願人 | 件数 | 主な技術領域 |
---|---|---|
日本電信電話 | 12件 | 特徴抽出、音声認識、データ分類 |
富士通 | 10件 | 自然言語処理、画像認識、コード分析 |
NTTドコモ | 8件 | 機械翻訳、音声処理、モデル最適化 |
キヤノン | 6件 | 画像処理、マルチタスク学習、特徴選択 |
コニカミノルタ | 4件 | データドリフト対応、物体検出 |
その他 | 60件 | セキュリティ、行動予測、異常検知など |
・補足説明
主要出願人の分析から、通信・IT大手企業が技術開発を牽引していることが分かる。特に日本電信電話と富士通が積極的な出願を行っており、両社で全体の約2割を占める。各社の技術領域を見ると、NTTグループは音声・言語処理に強みを持ち、富士通は幅広い領域での開発を行っている。キヤノンは画像処理関連の技術に注力しており、企業の事業領域と技術開発の方向性が合致している。
1-3. 技術分野別の分類:
技術分野 | 件数 | 主な特徴 |
---|---|---|
機械学習基盤技術 | 25件 | モデル最適化、知識蒸留、特徴抽出 |
画像・映像処理 | 18件 | 物体検出、セグメンテーション、認識 |
自然言語処理 | 15件 | テキスト分類、機械翻訳、質問応答 |
音声処理 | 12件 | 音声認識、話者認証、パラ言語情報 |
データ分析・予測 | 16件 | 異常検知、行動予測、リスク分析 |
セキュリティ | 14件 | 暗号化学習、マルウェア検知、防御 |
・補足説明
技術分野別の分析から、機械学習の基盤技術に関する特許が最も多く、次いで画像・映像処理、自然言語処理の順となっている。基盤技術では特にモデルの効率化や性能向上に関する技術が注目されており、実用化に向けた研究開発が活発に行われている。また、セキュリティ分野での出願も増加傾向にあり、AIの実用化に伴うセキュリティ課題への対応が重要視されている。
1-4. 技術課題別の分類:
技術課題 | 件数 | 主なアプローチ |
---|---|---|
精度向上 | 28件 | 特徴量最適化、アンサンブル学習、マルチタスク学習 |
効率化・軽量化 | 22件 | モデル圧縮、知識蒸留、計算量削減 |
セキュリティ確保 | 16件 | 暗号化処理、攻撃検知、モデル防御 |
データ品質対応 | 18件 | ドリフト対応、ノイズ除去、データ増強 |
説明可能性向上 | 16件 | 特徴解釈、因果関係分析、可視化 |
・補足説明
技術課題の分析から、精度向上が最も重要視されている一方で、効率化・軽量化やセキュリティ確保など、実用化に向けた課題への取り組みも活発であることが分かる。特に近年は説明可能性の向上や、実環境でのデータ品質への対応など、AIの信頼性や実用性を高めるための技術開発が増加している。
1-5. 総括
2016年から2023年にかけてのAI関連特許の分析から、技術開発の焦点が基礎的な機械学習手法から、より高度で実用的な応用へと移行していることが明らかになった。特に通信・IT大手企業が技術開発を牽引し、モデルの効率化や精度向上、セキュリティ確保など、実用化に向けた様々な課題に取り組んでいる。また、説明可能性の向上やデータ品質への対応など、AIの信頼性や実用性を高めるための技術開発も増加傾向にある。今後は、これらの技術を組み合わせた統合的なソリューションの開発が期待される。
特許出願の内容を複数の観点から分析しました。
2-1. 技術分野による分類
技術分野 | 特徴的な出願内容 | 件数 |
---|---|---|
機械学習基盤技術 | モデル学習・最適化、ネットワークアーキテクチャ | 25件 |
自然言語処理 | テキスト分類、質問応答、機械翻訳 | 18件 |
画像認識/処理 | 物体検出、セグメンテーション、特徴抽出 | 22件 |
音声認識/処理 | 音声認識、話者認証、パラ言語情報処理 | 12件 |
セキュリティ | マルウェア検知、データ保護、暗号化処理 | 8件 |
行動認識/分析 | 行動予測、ユーザ行動分析、意図推定 | 15件 |
補足説明:機械学習の基盤技術に関する特許が最も多く、特にモデルの学習・最適化手法やネットワークアーキテクチャの改良に関する出願が目立ちます。次いで画像認識/処理分野が多く、物体検出や特徴抽出など実用的な応用に関する特許が多く出願されています。自然言語処理分野では機械翻訳や質問応答システムなど、人とAIのインタラクションに関する技術が注目されています。
2-2. 産業分野による分類
産業分野 | 応用例 | 該当特許数 |
---|---|---|
IT/ソフトウェア | 機械翻訳、質問応答、コード生成 | 35件 |
製造/検査 | 異常検知、品質管理、設備保全 | 18件 |
セキュリティ | マルウェア検知、不正アクセス検知 | 8件 |
自動車/運輸 | 運転支援、車両診断、行動予測 | 12件 |
ヘルスケア | 医療診断支援、健康モニタリング | 7件 |
金融/保険 | リスク分析、不正検知 | 5件 |
補足説明:IT/ソフトウェア分野での出願が最も多く、特に機械翻訳や自然言語処理に関する技術が充実しています。製造業では品質管理や異常検知などの実用的な応用が進んでおり、自動車産業でも運転支援や車両診断など実践的な技術開発が活発です。ヘルスケアや金融など、専門性の高い分野でもAI技術の応用が広がっています。
2-3. 製品分野による分類
製品分野 | 具体例 | 件数 |
---|---|---|
ソフトウェアシステム | 機械翻訳、質問応答システム | 28件 |
分析/検査システム | 異常検知、品質管理システム | 22件 |
制御/監視システム | 運転支援、設備監視システム | 15件 |
セキュリティ製品 | マルウェア検知、認証システム | 10件 |
開発支援ツール | モデル開発環境、学習データ生成 | 25件 |
補足説明:ソフトウェアシステムとしての実装が最も多く、特に機械翻訳や質問応答などのエンドユーザー向けシステムが目立ちます。また、異常検知や品質管理などの産業用システムも多く開発されています。開発支援ツールの分野では、効率的なモデル開発や学習データ生成に関する技術が注目されています。
2-4. 技術背景による分類
技術背景 | 内容 | 関連特許数 |
---|---|---|
処理効率化 | 計算コスト削減、高速化 | 32件 |
精度向上 | 認識精度、予測精度の改善 | 28件 |
データ品質 | データ不足、ノイズ対策 | 15件 |
セキュリティ要求 | データ保護、プライバシー確保 | 12件 |
実用化対応 | 運用性向上、保守性改善 | 13件 |
補足説明:処理効率化と精度向上に関する特許が多く、特に計算コストの削減や認識精度の改善に焦点を当てた技術開発が活発です。また、実際の運用を見据えたデータ品質の向上やセキュリティ確保に関する技術も重要視されています。
2-5. 用途による分類
用途 | 具体例 | 件数 |
---|---|---|
自動化/省力化 | 業務自動化、作業支援 | 35件 |
品質向上 | 検査・異常検知、品質管理 | 25件 |
予測/分析 | 行動予測、リスク分析 | 20件 |
コミュニケーション | 機械翻訳、質問応答 | 15件 |
開発支援 | モデル開発、データ生成 | 28件 |
補足説明:業務の自動化や省力化に関する用途が最も多く、人手による作業の効率化を目指す技術が注目されています。また、品質向上や予測・分析など、高度な判断支援に関する用途も増加しています。開発支援用途では、効率的なモデル開発や学習データ生成に関する技術が重要視されています。
2-6. 課題による分類
課題 | 具体的内容 | 件数 |
---|---|---|
処理効率 | 計算コスト削減、処理速度向上 | 30件 |
精度向上 | 認識精度、予測精度の改善 | 25件 |
データ品質 | データ不足、ノイズへの対応 | 18件 |
運用性 | 保守性、拡張性の向上 | 15件 |
セキュリティ | データ保護、プライバシー確保 | 12件 |
補足説明:処理効率の向上が最も重要な課題として挙げられており、特に計算コストの削減や処理速度の向上に焦点を当てた技術開発が進められています。また、認識精度の向上やデータ品質の改善など、AIシステムの信頼性向上に関する課題も重要視されています。
2-7. 解決手段による分類
解決手段 | アプローチ | 件数 |
---|---|---|
モデル最適化 | アーキテクチャ改良、パラメータ調整 | 28件 |
学習手法改善 | 効率的な学習アルゴリズム、転移学習 | 25件 |
データ処理 | 前処理最適化、特徴量設計 | 20件 |
システム構成 | 分散処理、ハイブリッド構成 | 15件 |
セキュリティ対策 | 暗号化処理、アクセス制御 | 12件 |
補足説明:モデルの最適化や学習手法の改善に関する解決手段が多く、特にネットワークアーキテクチャの改良や効率的な学習アルゴリズムの開発が注目されています。また、データ処理の最適化やシステム構成の工夫など、実用化に向けた技術的アプローチも重要視されています。
2-8. 効果による分類
効果 | 具体的な改善点 | 件数 |
---|---|---|
性能向上 | 処理速度向上、精度改善 | 35件 |
効率化 | 計算コスト削減、リソース最適化 | 28件 |
品質向上 | 認識精度向上、安定性改善 | 22件 |
運用性改善 | 保守性向上、拡張性確保 | 15件 |
セキュリティ強化 | データ保護、耐攻撃性向上 | 10件 |
補足説明:処理性能の向上と効率化に関する効果が最も多く報告されており、特に処理速度の向上や計算コストの削減において顕著な改善が見られます。また、認識精度の向上や運用性の改善など、実用面での効果も多く報告されています。
2-9. 総括
本分析対象の特許群からは、AI技術の実用化に向けた取り組みが活発に行われていることが明確に読み取れます。特に機械学習の基盤技術や画像認識、自然言語処理などの分野で多くの特許が出願されており、処理効率の向上や精度改善に関する技術開発が中心となっています。産業応用では、IT/ソフトウェア分野を中心に、製造業や自動車産業など幅広い分野での技術開発が進められており、特に業務の自動化や品質管理などの実用的な応用が注目されています。また、データ品質の向上やセキュリティ確保など、実運用に向けた課題への取り組みも積極的に行われています。
AIを使って、アイデアと類似する技術カテゴリ抽出
本テーマに関連する特許について、技術要素等をカテゴライズしました。
大カテゴリ | 中カテゴリ | 小カテゴリ | 説明 |
---|---|---|---|
1. 機械学習基盤技術 | 1.1 モデル構造 | 1.1.1 ニューラルネットワーク | 多層ニューラルネットワークを用いた深層学習技術 |
1.1.2 アテンションメカニズム | 入力データの重要な部分に注目する機構 | ||
1.1.3 蒸留モデル | 大規模モデルの知識を小規模モデルに転移する技術 | ||
1.2 学習手法 | 1.2.1 教師あり学習 | ラベル付きデータを用いた学習方式 | |
1.2.2 教師なし学習 | ラベルなしデータからパターンを発見する学習方式 | ||
1.2.3 転移学習 | 既存モデルの知識を別タスクに活用する手法 | ||
1.3 最適化手法 | 1.3.1 パラメータ調整 | モデルのパラメータを最適化する技術 | |
1.3.2 損失関数設計 | 学習の目的に応じた損失関数の設計手法 | ||
1.3.3 正則化 | 過学習を防ぐための制約付与技術 | ||
2. 自然言語処理 | 2.1 言語理解 | 2.1.1 構文解析 | 文の構造を解析する技術 |
2.1.2 意味理解 | テキストの意味内容を理解する技術 | ||
2.1.3 文脈理解 | 文脈を考慮した言語理解技術 | ||
2.2 言語生成 | 2.2.1 テキスト生成 | 自然な文章を生成する技術 | |
2.2.2 対話生成 | 対話文を生成する技術 | ||
2.2.3 要約生成 | テキストを要約する技術 | ||
2.3 言語変換 | 2.3.1 機械翻訳 | 異なる言語間の翻訳技術 | |
2.3.2 言い換え | 同一言語内での表現変換技術 | ||
2.3.3 校正支援 | 文章の誤りを検出・修正する技術 | ||
3. 画像・音声処理 | 3.1 画像認識 | 3.1.1 物体検出 | 画像内の物体を検出する技術 |
3.1.2 セグメンテーション | 画像を領域分割する技術 | ||
3.1.3 特徴抽出 | 画像から特徴を抽出する技術 | ||
3.2 音声認識 | 3.2.1 音声変換 | 音声信号を変換する技術 | |
3.2.2 話者認識 | 話者を識別する技術 | ||
3.2.3 感情認識 | 音声から感情を認識する技術 | ||
3.3 マルチモーダル | 3.3.1 画像・テキスト統合 | 画像とテキストを組み合わせた処理技術 | |
3.3.2 音声・テキスト統合 | 音声とテキストを組み合わせた処理技術 | ||
3.3.3 クロスモーダル学習 | 複数のモダリティを横断した学習技術 | ||
4. データ処理 | 4.1 前処理 | 4.1.1 データクレンジング | データの品質を向上させる技術 |
4.1.2 特徴量エンジニアリング | 有効な特徴量を設計する技術 | ||
4.1.3 データ拡張 | データセットを人工的に増やす技術 | ||
4.2 データ分析 | 4.2.1 クラスタリング | データをグループ化する技術 | |
4.2.2 異常検知 | 異常なデータを検出する技術 | ||
4.2.3 相関分析 | データ間の関係性を分析する技術 | ||
4.3 データ管理 | 4.3.1 データ保護 | データのセキュリティを確保する技術 | |
4.3.2 データ圧縮 | データ容量を削減する技術 | ||
4.3.3 データ品質管理 | データの品質を維持する技術 | ||
5. 推論・予測 | 5.1 推論エンジン | 5.1.1 確率推論 | 確率モデルに基づく推論技術 |
5.1.2 ルールベース推論 | ルールに基づく推論技術 | ||
5.1.3 ハイブリッド推論 | 複数の推論方式を組み合わせた技術 | ||
5.2 予測モデル | 5.2.1 時系列予測 | 時系列データの予測技術 | |
5.2.2 回帰分析 | 連続値を予測する技術 | ||
5.2.3 分類予測 | カテゴリを予測する技術 | ||
5.3 モデル評価 | 5.3.1 性能評価 | モデルの性能を評価する技術 | |
5.3.2 精度検証 | 予測精度を検証する技術 | ||
5.3.3 比較分析 | 異なるモデルを比較する技術 | ||
6. システム最適化 | 6.1 計算効率化 | 6.1.1 並列処理 | 処理を並列化する技術 |
6.1.2 メモリ最適化 | メモリ使用を最適化する技術 | ||
6.1.3 演算高速化 | 計算速度を向上させる技術 | ||
6.2 リソース管理 | 6.2.1 負荷分散 | 処理負荷を分散させる技術 | |
6.2.2 スケーリング | システムを拡張する技術 | ||
6.2.3 リソース割当 | 計算リソースを効率的に配分する技術 | ||
6.3 システム連携 | 6.3.1 API連携 | 外部システムとの連携技術 | |
6.3.2 データ連携 | データの連携技術 | ||
6.3.3 サービス連携 | サービス間の連携技術 | ||
7. セキュリティ | 7.1 データ保護 | 7.1.1 暗号化 | データを暗号化する技術 |
7.1.2 匿名化 | 個人情報を保護する技術 | ||
7.1.3 アクセス制御 | データアクセスを制御する技術 | ||
7.2 脅威対策 | 7.2.1 不正検知 | 不正アクセスを検知する技術 | |
7.2.2 攻撃防御 | サイバー攻撃を防御する技術 | ||
7.2.3 脆弱性対策 | システムの脆弱性に対処する技術 | ||
7.3 認証・認可 | 7.3.1 ユーザ認証 | ユーザを認証する技術 | |
7.3.2 権限管理 | アクセス権限を管理する技術 | ||
7.3.3 セッション管理 | ユーザセッションを管理する技術 | ||
8. 運用・保守 | 8.1 品質管理 | 8.1.1 モニタリング | システムの状態を監視する技術 |
8.1.2 エラー検出 | システムの異常を検出する技術 | ||
8.1.3 性能測定 | システムの性能を測定する技術 | ||
8.2 運用効率化 | 8.2.1 自動化 | 運用作業を自動化する技術 | |
8.2.2 スケジューリング | 処理のスケジュールを管理する技術 | ||
8.2.3 ログ管理 | システムログを管理する技術 | ||
8.3 保守管理 | 8.3.1 バージョン管理 | システムのバージョンを管理する技術 | |
8.3.2 構成管理 | システム構成を管理する技術 | ||
8.3.3 障害対応 | システム障害に対応する技術 |
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