AI特許調査
事例紹介
バイオインフォマティクスに関する特許調査をしてみた!
テーマ:バイオインフォマティクスに関するAI特許調査
・調査観点
複数の生物種から採取した塩基配列データを入力として、部分配列の出現頻度パターンと既知の病原体データベースとの照合を行い、機械学習モデルによって病原体の種類と病原性を予測し、予測結果に基づいて感染リスクの評価を行い、検出された病原体の特徴と予測される感染拡大パターンを医療機関へ通知する病原体検出システムにおいて、前記機械学習モデルは新規の変異株に対する検出能力を維持しつつ、誤検出を最小化するための自己学習機能を有することを特徴とする病原体モニタリングシステム。
目的
上記のアイデア(調査観点)に関連する特許を抽出する。
条件
調査対象国:JP
調査資料:特許公報、実用新案公報
調査期間:出願10年
ステータス:生死不問
調査母集合:バイオインフォマティクスとAI(人工知能、機械学習、ディープラーニング、深層学習)に関するもの
作業
- AIを使って、アイデアを生成&ブラッシュアップ
- AIを使って、アイデアに関連する特許を抽出
- AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(詳細評価)
- AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(対比表作成)
- AIを使って、アイデアと類似する特許の出願動向分析
- AIを使って、アイデアと類似する技術カテゴリ抽出
目的①
先行技術調査
新規の特許出願を行う前に、類似する既存の特許公報を探す調査です。発明の新規性や進歩性を確認し、特許取得の可能性を判断します。無駄な出願を防ぎ、より強い特許請求範囲の作成に役立ちます。
目的②
侵害予防調査
新製品の開発・販売前に、他社の特許権を侵害していないかを確認する調査です。他社特許に抵触するリスクを事前に把握し、設計変更や回避策の検討、ライセンス交渉の判断材料として活用します。
目的③
無効資料調査
特定の特許の有効性を検証するための調査です。対象特許の出願前に公知となっていた特許公報を探し、新規性や進歩性を否定できる資料を収集します。特許無効審判や侵害訴訟での資料に使用されます。
バイオインフォマティクス × 事例紹介
Case Study
AIを活用した特許調査を動画とテキストでご紹介!
近年、人工知能(AI)技術の進歩により、特許調査の手法も大きく変化しています。AIを活用した特許調査では、従来の検索式による方法に加え、自然言語処理や機械学習の技術を用いることで、より広範な関連技術の発見や、類似特許の効率的な抽出が可能となっています。
特に、AIによる言語の意味理解や文脈把握により、キーワードだけでは発見が困難だった技術文献の特定や、異なる技術分野での類似発明の発見などで成果を上げています。また、大量の特許文献を短時間で分析し、技術動向の可視化や重要文献の優先度付けなども実現しています。
このような先進的な調査手法の導入により、調査の質と効率が向上し、より効果的な特許戦略の立案が可能となっています。
AIを使って、アイデアを生成&ブラッシュアップ
AIを活用し、特許出願できそうなアイデアを10件、考えました。
以下の通り、ご報告いたします。
1.塩基配列分析による病原体迅速検出システム
複数の生物種から採取した塩基配列データを入力として、部分配列の出現頻度パターンと既知の病原体データベースとの照合を行い、機械学習モデルによって病原体の種類と病原性を予測し、予測結果に基づいて感染リスクの評価を行い、検出された病原体の特徴と予測される感染拡大パターンを医療機関へ通知する病原体検出システムにおいて、前記機械学習モデルは新規の変異株に対する検出能力を維持しつつ、誤検出を最小化するための自己学習機能を有することを特徴とする病原体モニタリングシステム。
・アイデアの特徴
①塩基配列データから部分配列の出現頻度パターンを抽出する。
②既知の病原体データベースとの照合により、病原体の種類と病原性を予測する。
③機械学習モデルにより感染リスクの評価を行う。
④検出された病原体の特徴と予測される感染拡大パターンを医療機関へ通知する。
⑤新規変異株への対応と誤検出の最小化のための自己学習機能を実装する。
2.次元圧縮による生体粒子解析システム
生体由来粒子から得られた多次元光学データに対し、入力層と出力層に同一データを適用した自己符号化器による次元圧縮を行い、圧縮データと元データの対応関係を教師データとして機械学習モデルを構築し、圧縮データから粒子の特徴を抽出して分類を行う粒子解析システムにおいて、前記機械学習モデルは圧縮過程での情報損失を最小化する最適化機能を有することを特徴とする生体粒子分析システム。
・アイデアの特徴
①生体由来粒子から多次元光学データを取得する。
②自己符号化器により次元圧縮を行う。
③圧縮データと元データの対応関係を用いて機械学習モデルを構築する。
④圧縮データから粒子の特徴を抽出して分類を行う。
⑤圧縮過程での情報損失を最小化する最適化機能を実装する。
3.固有表現抽出による言語モデル適応システム
文章から固有表現と依存関係を持つ動詞を抽出し、それらの関係性に基づいて文章をベクトル化し、類似度が閾値以上の文章群を選択して機械学習モデルの訓練データとして使用し、特定分野への適応を行う言語モデル生成システムにおいて、前記機械学習モデルは文脈理解の精度を保持しつつ、新規ドメインへの適応を実現する転移学習機能を有することを特徴とする言語モデル適応システム。
・アイデアの特徴
①文章から固有表現と依存関係を持つ動詞を抽出する。
②抽出された要素に基づいて文章をベクトル化する。
③類似度が閾値以上の文章群を選択する。
④選択された文章群を用いて機械学習モデルを訓練する。
⑤文脈理解の精度を保持しつつ新規ドメインへの適応を行う転移学習機能を実装する。
4.ハイブリッド推論による診断支援システム
検査データに基づくルールベース推論と機械学習による推論を併用し、両者の推定結果の精度を検証して優先順位を動的に決定する診断支援システムにおいて、前記機械学習モデルはルールベース推論の結果を教師データとして学習を行い、推論精度が向上した場合に段階的に優先度を上げることを特徴とする診断支援システム。
・アイデアの特徴
①検査データに基づくルールベース推論を実行する。
②機械学習による推論を実行する。
③両推論方式の推定結果の精度を検証する。
④検証結果に基づいて推論結果の優先順位を決定する。
⑤ルールベース推論の結果を教師データとして機械学習モデルを段階的に改善する。
5.微生物種判別システム
質量分析データと遺伝情報の類似性に基づいて微生物をグループ化し、グループ情報を含む学習データを用いて機械学習モデルを構築し、未知の微生物に対して種の判別を行う微生物種判別システムにおいて、前記機械学習モデルは遺伝情報が類似した種の誤判別を防止するための判別基準最適化機能を有することを特徴とする微生物種判別システム。
・アイデアの特徴
①質量分析データを取得する。
②遺伝情報の類似性に基づいて微生物をグループ化する。
③グループ情報を含む学習データを作成する。
④機械学習モデルを用いて種の判別を行う。
⑤遺伝情報が類似した種の誤判別を防止するための判別基準最適化機能を実装する。
6.汚水処理施設運転制御システム
施設パラメータと水質データを入力として、運転操作量を推論する機械学習モデルを構築し、推論結果の根拠を示すため、推論モデルを近似する局所的な解釈可能モデルを生成し、運転操作の判断基準を明示する汚水処理施設運転制御システムにおいて、前記機械学習モデルは運転状況の変化に応じて自己調整する適応機能を有することを特徴とする運転制御システム。
・アイデアの特徴
①施設パラメータと水質データを入力として使用する。
②機械学習モデルにより運転操作量を推論する。
③推論モデルを近似する局所的な解釈可能モデルを生成する。
④運転操作の判断基準を明示する。
⑤運転状況の変化に応じて自己調整する適応機能を実装する。
7.細菌画像解析システム
細菌の顕微鏡画像から特徴量を抽出し、遺伝情報に基づく類縁度を考慮して特徴量間の距離を学習する機械学習モデルを構築し、未知の細菌に対して類縁種を推定する細菌画像解析システムにおいて、前記機械学習モデルは形態的特徴と遺伝的類縁性の相関を学習し、新規の細菌種に対する分類精度を向上させる機能を有することを特徴とする細菌種推定システム。
・アイデアの特徴
①細菌の顕微鏡画像から特徴量を抽出する。
②遺伝情報に基づく類縁度を考慮して特徴量間の距離を学習する。
③機械学習モデルにより未知の細菌の類縁種を推定する。
④形態的特徴と遺伝的類縁性の相関を学習する。
⑤新規の細菌種に対する分類精度を向上させる機能を実装する。
8.生体粒子分取システム
生体由来粒子から得られた光学データの次元圧縮を行い、圧縮データに基づいて粒子の特性を解析し、解析結果に応じて粒子の分取を制御する生体粒子分取システムにおいて、前記次元圧縮は自己符号化器を用いて行い、圧縮データから粒子の特性を高精度に再現することを特徴とする粒子分取システム。
・アイデアの特徴
①生体由来粒子から光学データを取得する。
②自己符号化器により次元圧縮を行う。
③圧縮データに基づいて粒子の特性を解析する。
④解析結果に応じて粒子の分取を制御する。
⑤圧縮データから粒子の特性を高精度に再現する。
9.遺伝子変異検出システム
塩基配列データから部分配列の出現頻度を算出し、機械学習モデルにより疾患との関連性を評価し、評価結果に基づいて変異の重要度を判定する遺伝子変異検出システムにおいて、前記機械学習モデルは複数の生物種のデータを用いて学習を行い、種間で保存された重要な変異を検出することを特徴とする遺伝子解析システム。
・アイデアの特徴
①塩基配列データから部分配列の出現頻度を算出する。
②機械学習モデルにより疾患との関連性を評価する。
③評価結果に基づいて変異の重要度を判定する。
④複数の生物種のデータを用いて学習を行う。
⑤種間で保存された重要な変異を検出する機能を実装する。
10.医療診断支援システム
検査データとルールベースの推論結果を用いて機械学習モデルを訓練し、新規の検査データに対して診断結果を推論する医療診断支援システムにおいて、前記機械学習モデルは推論結果の信頼度を評価し、信頼度が低い場合には追加の検査項目を提案する機能を有することを特徴とする診断支援システム。
・アイデアの特徴
①検査データとルールベースの推論結果を用いて機械学習モデルを訓練する。
②新規の検査データに対して診断結果を推論する。
③推論結果の信頼度を評価する。
④信頼度が低い場合に追加の検査項目を提案する。
⑤診断精度の向上のための継続的な学習機能を実装する。
AIを使って、アイデアに関連する特許を抽出
1.産業分野の比較:
- アイデアと抽出公報は、いずれも病原体検出・診断分野に関する技術である。
- 抽出公報は主に微生物の種類判別や病気の診断に関するものだが、アイデアはさらに感染拡大予測という公衆衛生的な側面も含んでいる。
- アイデアは医療機関との連携を明確に含む点で、より実用的なシステムを志向している。
2.課題の比較:
- 抽出公報(特にJPWO2020222287、JP2024025520)は、主に新規・類似微生物の誤判別防止に焦点を当てている。
- アイデアは、誤判別防止に加えて感染拡大予測という時間軸を含む予測にまで踏み込んでおり、より包括的な課題解決を目指している。
- 医療機関への通知機能は、抽出公報では明示的に扱われていない新規な課題である。
3.解決手段の比較:
- 塩基配列データの利用や機械学習モデルの採用という基本的なアプローチは、アイデアと主要な抽出公報で共通している。
- アイデアは、以下の点で特徴的な解決手段を提案している:
- 感染拡大パターンの予測機能
- 医療機関への通知システムの統合
- 予測結果に基づく感染リスク評価の実施
これらの比較から、アイデアは既存技術の良い点を取り入れながら、以下の観点で新規性・進歩性が期待できる可能性があります:
- 感染拡大パターンの予測という新しい機能の追加
- 医療機関への通知システムの統合による実用性の向上
- 病原体検出から感染リスク評価、予測、通知までを一貫して行うシステムの構築
ただし、より具体的な実装方法や各機能の連携方法について、さらなる検討が必要かもしれません。
新規性や進歩性に関する意見やアドバイスを得るためには、弁理士などの専門家に相談することをお勧めします。
AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(詳細評価)
アイデアの特徴①②③④⑤と抽出公報を対比、評価しました。
以下の通り、ご報告いたします。
・アイデアの特徴
①塩基配列データを入力とし、部分配列の出現頻度パターンと既知の病原体データベースとの照合を行う
②機械学習モデルによって病原体の種類と病原性を予測する
③予測結果に基づいて感染リスクの評価を行う
④検出された病原体の特徴と予測される感染拡大パターンを医療機関へ通知する
⑤機械学習モデルは新規の変異株に対する検出能力を維持しつつ、誤検出を最小化するための自己学習機能を有する
・抽出公報
公報番号:JPWO2020222287(出願日:2020-01-30、公開日:2020-11-05、出願人:株式会社Preferred Networks、名称:訓練装置、罹患判定装置、機械学習方法、およびプログラム)
・該否結果
※評価基準:〇(特徴の要件を全て含む)、△(特徴の要件を一部含む)、×(特徴の要件を一つも含まない)
公報番号(出願人) | 類似度 (%) | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
---|---|---|---|---|---|---|
JPWO2020222287(Preferred Networks) | 60% | △ | △ | × | × | × |
特徴①と抽出公報との比較
・該否結果:△
・特徴①の定義:
塩基配列データを入力とし、部分配列の出現頻度パターンと既知の病原体データベースとの照合を行う
・特徴①に対応する箇所と内容:
「所定の疾患について、学習対象から採取した訓練用サンプルから得た塩基配列における複数種類の部分文字列の出現頻度に基づく訓練用特徴ベクトルを入力とし」
・補足:
特徴①は塩基配列データを入力とし、部分配列の出現頻度パターンと既知の病原体データベースとの照合を行うことですが、抽出公報Ⅰでは塩基配列の部分文字列出現頻度は記載されているものの、既知の病原体データベースとの照合については明確な記載がありません。
特徴②と抽出公報との比較
・該否結果:△
・特徴②の定義:
機械学習モデルによって病原体の種類と病原性を予測する
・特徴②に対応する箇所:
「前記学習対象が、前記所定の疾患に罹患した対象であるのか、あるいは、罹患していない対象であるのかを示すラベル情報を出力としてモデルを学習する機械学習部を備える」
・補足:
特徴②は機械学習モデルによる病原体の種類と病原性の予測ですが、抽出公報Ⅰでは疾患への罹患有無の判定のみが記載されており、病原体の種類や病原性の具体的な予測については言及されていません。
特徴③と抽出公報との比較
・該否結果:×
・特徴③の定義:
予測結果に基づいて感染リスクの評価を行う
・特徴③に対応する箇所:
関連する記載無し
・補足:
特徴③は予測結果に基づく感染リスクの評価ですが、抽出公報Ⅰには感染リスクの評価に関する記載はありません。
特徴④と抽出公報との比較
・該否結果:×
・特徴④の定義:
検出された病原体の特徴と予測される感染拡大パターンを医療機関へ通知する
・特徴④に対応する箇所:
関連する記載無し
・補足:
特徴④は医療機関への通知機能ですが、抽出公報Ⅰには結果の通知や医療機関との連携に関する記載はありません。
特徴⑤と抽出公報との比較
・該否結果:×
・特徴⑤の定義:
機械学習モデルは新規の変異株に対する検出能力を維持しつつ、誤検出を最小化するための自己学習機能を有する
・特徴⑤に対応する箇所:
関連する記載無し
・補足:
特徴⑤は変異株への対応と誤検出最小化のための自己学習機能ですが、抽出公報Ⅰにはモデルの自己学習機能や変異株への対応に関する記載はありません。
総括(アイデアと抽出公報の比較)
1.産業分野の比較:
両者は塩基配列データを用いた機械学習による疾患診断という点で共通の産業分野に属しています。ただし、アイデアは特に感染症や病原体に特化した技術であるのに対し、抽出公報は一般的な疾患診断を対象としている点で異なります。
2.課題の比較:
抽出公報は時間のかかるマッピングを避け、様々な生物種に適用可能な診断技術の確立を課題としているのに対し、アイデアは病原体の早期検出と感染拡大防止に焦点を当てており、課題設定が異なります。
3.解決手段の比較:
両者とも塩基配列の部分文字列出現頻度を特徴量として用いる点で共通していますが、アイデアは病原体データベースとの照合、感染リスク評価、医療機関への通知など、より包括的なシステムを提案している点で異なります。また、新規変異株への対応や自己学習機能など、より高度な機能を含んでいます。
AIを使って、アイデアと抽出公報を対比(対比表作成)
以下は、アイデアの特徴と抽出公報に関して対比表にまとめたものです:
アイデアの特徴と抽出公報との対比表
特徴 | 記載箇所 | 記載内容(抽出公報から転記) | 一致点 | 相違点 | 類似度 | 関連評価 |
---|---|---|---|---|---|---|
①:塩基配列データを入力とし、部分配列の出現頻度パターンと既知の病原体データベースとの照合を行う | 段落[0010] | 所定の疾患について、学習対象から採取した訓練用サンプルから得た塩基配列における複数種類の部分文字列の出現頻度に基づく訓練用特徴ベクトルを入力とし | 塩基配列データの部分文字列出現頻度を利用 | 病原体データベースとの照合に関する記載なし | 中程度 | △ |
②:機械学習モデルによって病原体の種類と病原性を予測する | 段落[0012] | 所定の疾患に罹患した対象であるのか、あるいは、罹患していない対象であるのかを示すラベル情報を出力としてモデルを学習する | 機械学習モデルによる疾患の予測 | 病原体の種類や病原性の具体的予測の記載なし | 中程度 | △ |
③:予測結果に基づいて感染リスクの評価を行う | - | 該当する記載なし | なし | 感染リスク評価に関する記載なし | 低い | × |
④:検出された病原体の特徴と予測される感染拡大パターンを医療機関へ通知する | - | 該当する記載なし | なし | 医療機関への通知機能の記載なし | 低い | × |
⑤:機械学習モデルは新規の変異株に対する検出能力を維持しつつ、誤検出を最小化するための自己学習機能を有する | - | 該当する記載なし | なし | 変異株対応や自己学習機能の記載なし | 低い | × |
■総括(考察、コメント)
- 基本技術の共通点:
両者とも塩基配列データを利用した機械学習による疾患診断という基本的なアプローチを採用しています。特に、塩基配列の部分文字列出現頻度を特徴量として活用する点で技術的な共通基盤を有しています。 - 技術的焦点の違い:
抽出公報は一般的な疾患診断に焦点を当てているのに対し、アイデアは特に感染症診断と感染拡大防止に特化しており、より具体的な用途を想定しています。 - システムの包括性:
アイデアは病原体データベースとの照合、感染リスク評価、医療機関への通知など、より包括的なシステムを提案しています。一方、抽出公報は基本的な診断機能に焦点を当てています。 - 技術の先進性:
アイデアは新規変異株への対応や自己学習機能など、より高度な機能を含んでおり、より進んだ技術的特徴を有しています。 - 実用性の違い:
アイデアは医療機関との連携や具体的な感染症対策を含む実用的なシステムを提案している一方、抽出公報は技術的な基盤の提供に重点を置いています。
総じて、両者は基本的な技術アプローチでは類似性を持ちますが、アイデアはより具体的な用途と高度な機能を備えた包括的なシステムを提案している点で、抽出公報とは明確な違いがあります。
AIを使って、アイデアと類似する特許の出願動向分析
本テーマに関連する特許出願について、出願年,出願人等の観点で分析しました。
1-1. 出願年別の傾向分析:
出願年 | 件数 | 主な技術トレンド |
---|---|---|
2014年 | 2件 | 内視鏡画像診断支援、用語意味解析 |
2015年 | 3件 | 文書検索、微生物叢解析、予測モデル |
2016年 | 1件 | 水圏生物群集解析 |
2017年 | 3件 | データ可視化、情報処理、病状解析 |
2018年 | 5件 | 汚水処理評価、消化器官診断、抗体活性予測 |
2019年 | 8件 | タンパク質解析、微生物同定、事例検索 |
2020年 | 10件 | 医用情報処理、血液検査、水処理制御 |
2021年 | 13件 | 運動支援、血液浄化、水質予測 |
2022年 | 8件 | 学習モデル生成、薬剤識別、データ解析 |
2023年 | 4件 | 分取システム、情報処理、運転状態評価 |
2024年 | 3件 | 画像処理、細胞培養最適化 |
・補足説明
出願件数は2020-2021年にピークを迎え、医療・バイオ分野でのAI活用が本格化している。特に水処理制御、医用画像診断、血液検査など、実用的な応用分野での出願が増加している。また、近年は薬剤開発や細胞培養など、より高度な生命科学分野へのAI適用も進んでいる。時系列でみると、単純な画像解析から複雑なシステム制御へと技術の高度化が進んでいることがわかる。
1-2. 主要出願人別の技術領域:
出願人 | 件数 | 主な技術領域 |
---|---|---|
明電舎 | 10件 | 水処理制御、運転状態評価、汚水処理 |
富士通 | 6件 | 機械学習、自然言語処理、医療情報分析 |
島津製作所 | 6件 | 微生物同定、質量分析、事例検索 |
AIメディカル | 4件 | 内視鏡画像診断、疾患診断支援 |
ソニーグループ | 4件 | 分取システム、データ解析、画像処理 |
Karydo TherapeutiX | 4件 | 薬効予測、バイオマーカー探索 |
その他 | 66件 | 血液検査、細胞培養、データ可視化など |
・補足説明
出願人分析から、各社の技術戦略が明確に表れている。明電舎は水処理施設の制御・運転に特化し、富士通はAI基盤技術と医療情報分析、島津製作所は分析機器と微生物同定に注力している。また、AIメディカルやKarydo TherapeutiXなど、AIを活用した医療・創薬に特化したベンチャー企業の参入も目立つ。大手企業は自社の強みを活かした領域で、ベンチャーは新規性の高い応用分野で特許を出願する傾向がある。
1-3. 技術分野別の分類:
技術分野 | 件数 | 主な特徴 |
---|---|---|
水処理制御 | 15件 | 運転状態評価、操作量最適化、異常予測 |
医療診断支援 | 14件 | 画像診断、疾患予測、バイオマーカー探索 |
微生物解析 | 12件 | 同定、分類、叢解析 |
データ処理・検索 | 11件 | 文書検索、可視化、類似性分析 |
分析・計測 | 10件 | 質量分析、血液検査、分取 |
薬剤開発 | 8件 | 薬効予測、相互作用解析 |
その他 | 30件 | 細胞培養、遺伝子解析、運動支援など |
・補足説明
技術分野別の分析から、水処理制御と医療診断支援が主要な応用分野となっていることがわかる。これらの分野では、AIによる自動化・効率化のニーズが高く、実用化も進んでいる。また、微生物解析やデータ処理など、基盤的な技術分野での出願も多く、様々な応用分野への展開が期待される。特に、データ処理・検索分野では、従来の単純な検索から、機械学習を活用した高度な分析・予測へと進化している。
1-4. 技術課題別の分類:
技術課題 | 件数 | 主なアプローチ |
---|---|---|
精度向上 | 25件 | 深層学習、特徴量最適化、モデル選択 |
自動化・効率化 | 20件 | リアルタイム処理、自動制御、最適化 |
データ活用 | 18件 | データ統合、知識ベース構築、検索高度化 |
予測・診断 | 15件 | パターン認識、異常検知、リスク評価 |
システム統合 | 12件 | プラットフォーム構築、インターフェース設計 |
安全性・信頼性 | 10件 | 検証機能、説明可能性、品質保証 |
・補足説明
技術課題としては、精度向上が最も多く、次いで自動化・効率化、データ活用が続く。精度向上では深層学習の活用が進み、自動化・効率化ではリアルタイム処理や自動制御の実現が目指されている。また、データ活用では、異なるソースのデータを統合し、より高度な分析を実現するアプローチが多く見られる。近年は特に、AIの判断根拠を説明可能にする技術や、システムの信頼性を確保する技術への注目が高まっている。
1-5. 総括
本分析対象の特許群からは、医療・バイオ分野におけるAI技術の実用化が着実に進展していることが見て取れる。出願年推移から、2020-2021年を境に応用分野が多様化し、より高度な技術開発が進められていることがわかる。特に、水処理制御や医療診断支援など、社会インフラや医療現場での実践的な応用に関する特許が増加している。また、従来の画像解析や単純な制御から、複数の技術を組み合わせたシステム化や、より高度な予測・診断技術の開発へとトレンドが移行している。出願人の傾向からは、大手企業が自社の強みを活かした領域で着実に特許を積み上げる一方、新興企業が新規性の高い応用分野で特徴的な出願を行っている状況が把握できる。
特許出願の内容を出願年,出願人の観点から分析しました。
2-1. 技術分野による分類
技術分野 | 特徴的な出願内容 | 件数 |
---|---|---|
医療・診断支援 | 疾患診断、画像診断、健康状態評価 | 25件 |
水処理・環境 | 汚水処理、運転制御、異常検知 | 18件 |
生体分析 | 微生物分析、細胞分析、遺伝子解析 | 15件 |
データ解析基盤 | 機械学習、ディープラーニング、統計解析 | 14件 |
化学分析 | 成分分析、物質同定、構造解析 | 12件 |
品質管理 | 製品検査、欠陥検知、品質予測 | 8件 |
プロセス制御 | プラント制御、運転支援、異常予知 | 8件 |
医療・診断支援分野が最も多く、次いで水処理・環境分野、生体分析分野が続きます。これらの分野では、AIを活用した高度な分析や予測、制御の実現を目指す傾向が見られます。特に医療分野では画像診断支援や疾患予測など、水処理分野では運転制御の最適化に関する出願が目立ちます。
2-2. 産業分野による分類
産業分野 | 応用例 | 該当特許数 |
---|---|---|
医療・ヘルスケア | 診断支援、画像解析、健康管理 | 28件 |
環境・インフラ | 水処理施設、プラント制御 | 22件 |
バイオテクノロジー | 微生物解析、細胞分析 | 18件 |
製造業 | 品質管理、欠陥検知 | 12件 |
化学・材料 | 物質分析、構造解析 | 10件 |
IT・ソフトウェア | データ解析、システム開発 | 10件 |
医療・ヘルスケア分野が最も多く、次いで環境・インフラ分野、バイオテクノロジー分野の順となっています。これは、高齢化社会における医療ニーズの高まりや、インフラ施設の効率的な運用、バイオテクノロジーの発展を背景としています。
2-3. 製品分野による分類
製品分野 | 具体例 | 件数 |
---|---|---|
診断支援システム | 画像診断、疾病予測 | 24件 |
プロセス制御システム | 水処理制御、運転支援 | 20件 |
分析装置 | 微生物分析、成分分析 | 18件 |
データ解析ツール | 統計解析、機械学習 | 16件 |
品質管理システム | 検査装置、欠陥検知 | 12件 |
モニタリングシステム | 状態監視、異常検知 | 10件 |
診断支援システムが最も多く、次いでプロセス制御システム、分析装置の順となっています。各分野でAIを活用した自動化・効率化を実現する製品開発が進められています。
2-4. 技術背景による分類
技術背景 | 内容 | 関連特許数 |
---|---|---|
自動化・効率化要求 | 作業の自動化、処理効率向上 | 35件 |
高精度化要求 | 分析・予測精度の向上 | 28件 |
リアルタイム処理要求 | 即時診断、異常検知 | 20件 |
コスト削減要求 | 運用コスト低減、省人化 | 15件 |
安全性・信頼性要求 | 診断精度向上、制御安定化 | 12件 |
自動化・効率化要求が最も多く、人手不足や作業効率化のニーズが背景にあります。また高精度化要求も多く、AIによる精度向上への期待が高いことがわかります。
2-5. 用途による分類
用途 | 具体例 | 件数 |
---|---|---|
診断・予測支援 | 疾病診断、異常予測 | 32件 |
プロセス最適化 | 運転制御、条件最適化 | 25件 |
データ解析 | 特徴抽出、パターン認識 | 20件 |
品質管理 | 検査、欠陥検知 | 15件 |
モニタリング | 状態監視、傾向管理 | 8件 |
診断・予測支援が最も多く、次いでプロセス最適化、データ解析の順となっています。AIの特徴を活かした予測や最適化への応用が進んでいます。
2-6. 課題による分類
課題 | 具体的内容 | 件数 |
---|---|---|
精度向上 | 診断精度、予測精度の改善 | 38件 |
処理効率化 | 自動化、省人化、高速化 | 32件 |
リアルタイム性 | 即時処理、迅速対応 | 18件 |
コスト最適化 | 運用コスト削減、省エネ化 | 15件 |
安定性向上 | 制御安定性、信頼性向上 | 12件 |
精度向上に関する課題が最も多く、次いで処理効率化、リアルタイム性の順となっています。AI技術による課題解決への期待が高いことがわかります。
2-7. 解決手段による分類
解決手段 | アプローチ | 件数 |
---|---|---|
機械学習適用 | ディープラーニング、統計モデル | 45件 |
データ解析高度化 | 特徴抽出、パターン認識 | 25件 |
プロセス最適化 | 制御パラメータ調整、条件最適化 | 20件 |
システム統合 | 複数技術の組み合わせ | 10件 |
機械学習の適用が最も多く、次いでデータ解析高度化、プロセス最適化の順となっています。AI技術を中心とした解決手段が主流となっています。
2-8. 効果による分類
効果 | 具体的な改善点 | 件数 |
---|---|---|
精度向上 | 診断精度、予測精度の向上 | 42件 |
効率化 | 処理時間短縮、省人化 | 35件 |
コスト削減 | 運用コスト、人件費の削減 | 15件 |
安定性向上 | 制御安定性、信頼性向上 | 8件 |
精度向上と効率化に関する効果が多く、AIの適用により従来技術の課題解決が実現されていることがわかります。
2-9. 総括
本分析から、AI・機械学習技術を活用した特許出願は、医療・ヘルスケア、環境・インフラ、バイオテクノロジーなどの分野を中心に活発に行われていることが明らかになりました。特に診断支援やプロセス制御の分野での出願が多く、精度向上や効率化といった課題に対してAI技術による解決が図られています。また、出願内容は基礎的な技術開発から実用化に向けた応用開発まで幅広く、AI技術の産業への本格的な展開が進んでいることが示唆されます。今後は、さらなる技術の高度化や新たな応用分野の開拓が期待されます。
AIを使って、アイデアと類似する技術カテゴリ抽出
本テーマに関連する特許について、技術要素等をカテゴライズしました。
大カテゴリ | 中カテゴリ | 小カテゴリ | 説明 |
---|---|---|---|
1. データ解析基盤 | 1.1 機械学習手法 | 1.1.1 教師あり学習 | 入出力の対応関係から学習するアルゴリズム |
1.1.2 教師なし学習 | データの潜在的な構造を発見する手法 | ||
1.1.3 半教師あり学習 | ラベル付き・なしデータを組み合わせた学習 | ||
1.2 データ前処理 | 1.2.1 次元圧縮 | 高次元データの特徴抽出と圧縮処理 | |
1.2.2 ノイズ除去 | データのノイズを除去する技術 | ||
1.2.3 正規化 | データを統一的な尺度に変換する処理 | ||
1.3 モデル評価 | 1.3.1 精度検証 | 学習モデルの予測精度を評価する手法 | |
1.3.2 交差検証 | データを分割して汎化性能を評価する手法 | ||
1.3.3 性能指標 | モデルの性能を定量的に評価する指標 | ||
2. 生物情報解析 | 2.1 遺伝子解析 | 2.1.1 塩基配列解析 | DNAやRNAの配列情報の解析技術 |
2.1.2 変異検出 | 遺伝子変異を検出する技術 | ||
2.1.3 系統解析 | 生物種間の進化的関係を分析する技術 | ||
2.2 微生物解析 | 2.2.1 群集構造解析 | 微生物群集の構成や相互作用の分析 | |
2.2.2 機能予測 | 微生物の機能や役割を予測する技術 | ||
2.2.3 形態分類 | 微生物の形態に基づく分類技術 | ||
2.3 疾病予測 | 2.3.1 バイオマーカー分析 | 疾病マーカーの検出と分析 | |
2.3.2 リスク評価 | 疾病リスクを評価する技術 | ||
2.3.3 予後予測 | 疾病の経過を予測する技術 | ||
3. プロセス制御 | 3.1 制御パラメータ | 3.1.1 最適化 | 制御パラメータの最適値を導出する技術 |
3.1.2 適応制御 | 環境変化に応じて制御を調整する技術 | ||
3.1.3 予測制御 | 将来の挙動を予測して制御する技術 | ||
3.2 異常検知 | 3.2.1 パターン認識 | 異常パターンを検出する技術 | |
3.2.2 予兆診断 | 異常の予兆を検知する技術 | ||
3.2.3 原因特定 | 異常の原因を特定する技術 | ||
3.3 品質管理 | 3.3.1 品質予測 | 製品品質を予測する技術 | |
3.3.2 工程管理 | 製造工程の管理・最適化技術 | ||
3.3.3 性能評価 | 製品性能を評価する技術 | ||
4. 画像解析 | 4.1 画像認識 | 4.1.1 物体検出 | 画像から特定物体を検出する技術 |
4.1.2 セグメンテーション | 画像領域を分割する技術 | ||
4.1.3 特徴抽出 | 画像特徴を抽出する技術 | ||
4.2 医用画像 | 4.2.1 病変検出 | 医用画像から病変を検出する技術 | |
4.2.2 診断支援 | 画像診断を支援する技術 | ||
4.2.3 画質改善 | 医用画像の画質を向上させる技術 | ||
4.3 顕微鏡画像 | 4.3.1 細胞解析 | 細胞画像を分析する技術 | |
4.3.2 形態計測 | 微生物の形態を計測する技術 | ||
4.3.3 動態追跡 | 生物の動きを追跡する技術 | ||
5. 環境制御 | 5.1 水質管理 | 5.1.1 浄化制御 | 水処理プロセスの制御技術 |
5.1.2 水質予測 | 水質パラメータの予測技術 | ||
5.1.3 性能評価 | 処理性能を評価する技術 | ||
5.2 生物処理 | 5.2.1 活性汚泥制御 | 活性汚泥処理の制御技術 | |
5.2.2 微生物制御 | 微生物群集の制御技術 | ||
5.2.3 効率最適化 | 処理効率を最適化する技術 | ||
5.3 モニタリング | 5.3.1 センシング | 環境パラメータの計測技術 | |
5.3.2 データ収集 | 運転データの収集・管理技術 | ||
5.3.3 状態監視 | システム状態を監視する技術 | ||
6. データ管理 | 6.1 データベース | 6.1.1 構造化 | データの体系的な整理・構造化技術 |
6.1.2 検索最適化 | 効率的なデータ検索技術 | ||
6.1.3 更新管理 | データの更新・維持管理技術 | ||
6.2 セキュリティ | 6.2.1 アクセス制御 | データアクセスの制御技術 | |
6.2.2 暗号化 | データの暗号化技術 | ||
6.2.3 プライバシー保護 | 個人情報保護技術 | ||
6.3 可視化 | 6.3.1 グラフ表示 | データのグラフ化技術 | |
6.3.2 対話的分析 | インタラクティブな分析技術 | ||
6.3.3 レポート生成 | 分析結果のレポート化技術 | ||
7. システム連携 | 7.1 装置制御 | 7.1.1 インターフェース | 装置間の通信インターフェース技術 |
7.1.2 プロトコル | データ通信プロトコル技術 | ||
7.1.3 同期制御 | 装置間の同期制御技術 | ||
7.2 情報共有 | 7.2.1 データ連携 | 異なるシステム間のデータ連携技術 | |
7.2.2 フォーマット変換 | データ形式の変換技術 | ||
7.2.3 整合性確保 | データの整合性を維持する技術 | ||
7.3 運用管理 | 7.3.1 性能監視 | システム性能の監視技術 | |
7.3.2 負荷分散 | 処理負荷を分散する技術 | ||
7.3.3 障害対応 | システム障害への対応技術 | ||
8. 性能評価 | 8.1 評価指標 | 8.1.1 正確性 | 予測・推定の正確さを評価する指標 |
8.1.2 安定性 | システムの安定性を評価する指標 | ||
8.1.3 効率性 | 処理効率を評価する指標 | ||
8.2 検証方法 | 8.2.1 実証実験 | 実環境での性能検証手法 | |
8.2.2 シミュレーション | 仮想環境での性能評価手法 | ||
8.2.3 比較評価 | 既存手法との性能比較手法 | ||
8.3 改善手法 | 8.3.1 パラメータ調整 | システムパラメータの最適化手法 | |
8.3.2 モデル改良 | 予測モデルの改良手法 | ||
8.3.3 運用改善 | 運用方法の改善手法 |
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